ガチャと奴隷と異世界ゲーム Qモンスターが歩き回るヤバい世界になりました。どう生きればいいですか? A異世界ガチャで美少女奴隷を当てましょう。そうすればボッチでも素敵な終末ハーレムライフを送れます!
第105話 誰がどれを、これは頼もしい、そして他の3人は?
第105話 誰がどれを、これは頼もしい、そして他の3人は?
「じゃ、先に“選択報酬”を決めてしまおうか。誰がどれを貰うか」
ソルアの肩、そしてリーユの手を借りながら、ゆっくり宝箱に近づいていく。
【マナスポット】に久代さんたちも興味は引かれつつも、提案には同意してくれた。
「あの……一番最初は滝深さんで良いと思うんです」
来宮さんのそれは遠慮がちながらも。
芯のある、強い意志が宿っているような言い方だった。
「ま、そうね。滝深君が一番負担もリスクも大きい仕事をしてくれてたわけだし」
「ですねぇ~。……それに、ソルアお姉さん達のことを考えるとむしろ辞退したいくらいですから」
久代さん、そして水間さんの気遣いにとても心が温かくなる。
特に、ソルア達のことを考えてくれたという点は正直ジーンと来た。
彼女達と【パーティー】を組んだことは間違いじゃなかったと、強く思える。
「――そっか。ありがとう。じゃあ遠慮なくそうするか」
ソルア達は異世界人で、
どれだけワールドクエストのクリアに貢献しても、報酬を直接貰えることはないのだ。
だからこそ、俺が選ぶものはソルア達にも還元できる
「ん~っと……じゃあ“
補助をしてくれるソルアとリーユを促し、一番右に置かれた宝箱の前に移動。
“武器”と“防具”は個人のになっちゃうからね。
そして2択となるが、“お金”は一応【商人】のジョブを持つ“水間さん”が欲しいかな、と残した。
「そう。……私は残り物でもいいけど。二人はどうする?」
「あっ、あたしこそ最後でいいです! 皆さんより先に決めるなんて本当、罪悪感エグいんで。透子さんと遥さん先に決めてください!」
水間さんはガチで最後がいいらしい。
……タンク役もちゃんとこなしてたし、あんまり自分の役割を
「じゃあ私が次、選びますね。う~んと……」
久代さん、そして水間さんの言葉を受け、来宮さんが2番手に。
来宮さんは“武器”と“防具”の間で視線を行き来させる。
そして意見を求めるようにこちらを向いてきた。
……来宮さんも“お金”については、水間さんに残そうと思ってくれているらしい。
「その二つで迷ってるなら“防具”にしたら? 来宮さんの戦闘スタイル的にダメージを出す“武器”ってよりは。HPや耐久、敏捷値とかを上げてくれるだろう“防具”の方が重要性高いと思うし」
もう一つ、口には出さないが。
ダメージを出す“武器”は、火力担当の久代さんの方が適任だという理由もあった。
……それを言うと、また久代さんから殺意の笑みで睨まれるかもしれないから、黙ってるけどね。
「なるほど……わかりました。じゃあ“防具”を貰いますね?」
「なら私は“武器”をいただこうかしら。……水間さん、それで大丈夫?」
「あ、はい! 何度も言うように、いただけるだけでも十分すぎる程ありがたいんで。では、あたしは“お金の箱”を!」
全員、誰がどれをゲットするか決まったところで。
一斉に自分の宝箱を開けた。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「うおっ、
「きゃっ――」
「あぅっ――」
箱から飛び出したあまりの光に、反射的に目を閉じる。
……だが、光量はすぐに落ち着いた。
それ以外は特に異常もなく。
ソルア、リーユとともに、恐る恐る目を開けた。
「だ、大丈夫3人とも!? ……あら?」
駆けよってくれたアトリも、ほぼ同時に中身を見たらしい。
拍子抜けしたというような、アトリの可愛らしい声が漏れていた。
「――ZYUZYU!!」
――中には、箱の大きさにギリ納まるくらいの“蜘蛛”がいた。
ピンクと赤色の水玉がランダムに配された、目に悪そうな外見をしている。
「……おうふ」
だが全く敵意は感じられず。
むしろ友好的というか。
俺をはじめ、一番最初に自分を目にしただろうソルアやアトリ、そしてリーユにも懐いている感じさえ見受けられる。
「“生物の箱”……確かに生物ですね」
「えっ、でも、また“蜘蛛”?」
「……挨拶するみたいに脚、上げてるです。なんだか可愛らしい、です?」
3人がそれぞれの反応を見せている間に、目の前に出て来た“蜘蛛”の詳細を確認する。
<【
従者モンスターで、現在は幼体。
蜘蛛型モンスターの上位・特殊個体で、非常にレア。
モンスターを食べてエネルギーを蓄え、配下の蜘蛛を召喚することが出来る。
召喚できる配下の種類は成長毎に増えていく>
「つまり味方、ファムやフォン的な立ち位置と理解しておけばいいか?」
報酬で得たわけだし、少なくとも敵ではないはず。
ボスが“蜘蛛型”のモンスターだったため若干警戒したが、それは不要だったか。
逆に他の地域だったら、倒したモンスターの種類に合った従者がもらえるのかもしれない。
「ZYU,ZYUZYU!!」
「わっ! 凄いですね! 他の蜘蛛を召喚できるんですか?」
正に目の前では、女王蜘蛛の能力実演が行われていた。
俺がソルアやアトリ、リーユを結晶から呼び出した時のように。
傍のカーペット上に光る召喚陣が描かれ、そこから小さな子蜘蛛が現れた。
<【
配下の種類の中で最も一般的。
数が多く、集団で力を発揮するのが特徴>
今日一日でとても見慣れた存在。
しかし、やはり女王蜘蛛に呼び出されたコイツも、敵意は全く感じられなかった。
「……なるほど。戦力アップになるのは間違いないな」
ソルア達は3人とも実力があって、それぞれの持つ特徴を生かして活躍してくれている。
だが今回のように“数”で押されると、やはり一人一人の負担がどうしても大きくなった。
女王蜘蛛がその解決に少しでも役立ってくれるなら言うことなしだ。
「――じゃあこれからよろしく頼むな? うーんと……“女王”、“ドS”、“スパイダー”……――よし、名前は“エスツー”で行こう!」
女王様から連想したド“S”の“エス”と。
“Spider”の“エス”。
うん、完璧!
――ファム、新入りだから。フォンと一緒に、色々と教えてやってくれ。
≪は~い! ――よし、エスツー! これから君はボクの後輩だから、言うことをきちんと聞くんだよ? 後、ソルアお姉さん達の言うことも。いい?≫
「ZYU,ZYUA!」
ファムが早速、謎に先輩風を吹かしている。
“ファムと愉快な仲間たち”の序列は“ファム>フォン>エスツー”、つまり加入の早い日順らしい。
……まあでも、直ぐ仲良くなれているようなので、別にそれでいっか。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「――ってか来宮さん、何してんの!?」
自分の特別報酬について、大まかに把握した直ぐ後のこと。
何と来宮さんが真横で、衣服を脱ぎ始めていたのである!
「えっ? ――あっ、いや! これは、違くて!」
まるで今、周りに他の人がいるのに気づいたとでも言うように。
来宮さんは顔を真っ赤にして着替えを中断。
だが目に毒となるとても綺麗な白い肌、白い上下の布が見えたままで、弁解を始めてしまう。
……来宮さん、ショックだわ。
清楚で可憐な、とても優しい美少女さんだとばかり思ってたのに。
実態はこんなことをしてしまう痴女さんだったとは。
「やっぱり! その顔、“思ってる”と思いました! ――滝深さんっ、違うんです、痴女じゃないですから!! 私、中身の防具が、こうしないと装備できなくって!」
気になる発言があったが、今は来宮さんの弁明を確認することを優先。
……あっ、なるほど。
確かに。
隣の宝箱の中。
とても綺麗な純白の下着類があった。
「……そのようだね」
俺の報酬も“蜘蛛”に関連していたから。
これらの衣類も“蜘蛛の糸”に関わっていると推測できる。
長いグローブ・ソックスも。
そして今身に着けている分と交換するのだろう下着類も。
全て蜘蛛の特別な糸で編まれたかのような、シミ一つない純白で出来ていた。
そして見る者をうっとりさせるような美しい光沢を放っている。
「……うぅぅ。私が不用心でした。少しあっちで着替えてきますね」
「ハルカ様、私も付き添います」
気を利かせたソルアと共に、来宮さんは着替えるために少し離れていった。
「――まっ、恥ずかしいのは仕方ないですよ。遥さんは“お兄さんのアドバイスで選んだ防具に着替える”、すなわち“お兄さんの選んだ下着に肌を通す”わけですからね!」
自分の報酬の確認が済んだのか、水間さんが楽しそうに近寄って来る。
……しかもあえて来宮さんに聞こえるような声を出して。
「はうっ!?」
来宮さんの、大ダメージを受けたというような、恥ずかし気な悲鳴が聞こえた。
「楽しみですね~お兄さん。これで遥さん、絶対付き合いたての彼女みたいな初々しい反応で帰ってきますよ? もう今夜はお楽しみすればいいのに」
「水間さん、君は何をしたいんだ……」
話を変えるために、水間さんがその手に持つ“真っ白な
やはりそれも蜘蛛の糸で編まれたような真っ白さ、しかも不思議な存在感を持っていた。
「あたしのは“
おお~。
効果のほどを聞いて、素直に驚いた。
それは凄い。
1階で見た【商人】ジョブ、それの【買付け】スキルと。
水間さんはとにかくIsekaiをよく使うポジションにいる。
だから、やはりとても相性がいい報酬だったらしい。
「――なるほど。今のところ上手く行ってるってことね?」
そして最後。
――久代さんは、死神が持つような大きい鎌を肩にかけ近寄って来た。
…………うん。
「――ごめん、アトリ、リーユ。俺はどうやら4日目を迎えられないらしい。今までこんな俺を支えてくれてありがとうな?」
「えっ、マスター何言ってんの!?」
「
いや“久代さん”と“鎌”って、もう俺が死ぬイメージしかできないんだけど。
「はぁぁ。……本当、滝深君が私のことどう思ってるか、とことん聞いてみたい気分だわ」
良かった、殺意ある視線じゃなかった。
ジト目で睨まれてはいるものの、こちらの方が全然ダメージはない。
むしろ久代さん可愛いまである。
「ごほんっ――と、とにかく。皆、個別の報酬はちゃんと確認できたっぽいね。……じゃあ来宮さんの準備が出来次第、【マナスポット】に入ろうか」
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