ガチャと奴隷と異世界ゲーム Qモンスターが歩き回るヤバい世界になりました。どう生きればいいですか? A異世界ガチャで美少女奴隷を当てましょう。そうすればボッチでも素敵な終末ハーレムライフを送れます!
第6話 帰還、再びのガチャ、そして二重の驚き ……★
第6話 帰還、再びのガチャ、そして二重の驚き ……★
「ソルア!」
「はいっ!」
俺の声に合わせるように、ソルアが真横を通り過ぎる。
次の瞬間には、目の前にいたゾンビの首が飛んでいた。
<ゾンビを討伐しました。8Isekaiを獲得しました>
<所有奴隷“ソルア”がゾンビを討伐しました。8Isekaiを獲得しました>
<所有奴隷“ソルア”がゾンビを討伐しました。8Isekaiを獲得しました>
「ふぅぅ……」
3つの死体が粒子化したところまで確認し、ようやく一息。
大通りへと続く小道の途中、俺たちは初めてのパーティー戦を完勝で終えていた。
「お疲れさまでした。複数体、しかも私たちより多くても問題ありませんでしたね」
ソルアは先程の戦闘をあっさりと論評する。
汗一つかかず、息も全く乱れていない。
……俺はゾンビ3体に出くわした時、心臓止まるかと思ったけどね。
「いや、ソルアのおかげだ。結局ソルアの方がここまでも多く倒してくれてるし」
500mくらいは進んだだろうか。
普段は自転車を使って進む道を、ゆっくり警戒しながら、更に戦闘ありでの歩みだ。
ここまで来るのに10分以上はかかったんじゃないかと思う。
その間に戦闘は3回あったが、割合は今の戦闘と同じく1:2。
俺はだからまだこの世界になって、コボルト1体とゾンビ3体しか倒していない。
「いえいえ! ご主人様は荷物も持たれてますし。それに戦い、ご主人様をお守りすることこそ私の役目ですから!」
「まあそれはそうだけど……」
未だ不服というか、ソルアに任せる部分が多いことに申し訳なさを覚える。
だがこれ以上言ってもソルアも譲らないだろうことは、この短いやり取りだけでも既に理解できていた。
ここはグッと飲み込み、建設的な会話をすることに。
「……話を変えよう。とりあえず初めての遠征にしては十分な戦果だと思う。一回戻って、それで休憩するか」
今回の外に出ての探索。
当初の目的は既に達成している。
ソルアの実力を見ること、そして俺が実戦経験を得ることだ。
「はい。……中々、生存している人に出会えませんね」
「…………」
人、ねぇぇ。
生存者がいないかどうかを探すのも、一応目的の一つとはなっている。
「……まあ、会えれば、情報の共有とか、できるしな」
「? はい。何かしら協力できれば、それに越したことはないかと」
俺が歯切れの悪い言い方をしたことに、ソルアは若干首を傾げていた。
まあソルアの言うこともわかる。
だが一方で、その“ソルア”の存在があるからこそ、生じるかもしれない問題もあるわけで……。
異世界人であるソルアを見た時、果たして他の人がどういう反応を示すか。
そこが未知数なので、俺の中で生存者探しは優先順位が高くなかった。
今後、会えたらラッキーくらいに思っておこう。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「ふぅぅ~。ただいまっと……えっ、1時間も経ってないの!?」
アパートの自室に戻ってきて、ようやく肩の力が抜ける。
もう何時間も外にいたような感覚だったが、スマホの時間を見て驚愕。
自分が思っていた以上に濃い時間を過ごしていたということか。
「あっ、ヤバい、爆睡したはずなのに、なんか急に疲れがグッと来た」
「フフッ。初めての実戦ということですから、ご自身で思っている以上にお疲れかと思います。ご主人様はお休みください。何かあれば言いつけてくだされば、私が――あっ」
俺の体を気遣ってくれる言葉が途中で途切れたことに、違和感を抱いた。
振り向くと、ソルアが今正にそのブーツを脱ごうとしている最中だった。
あぁぁ……そっか。
「悪いな、こんな状況だけど。なんか、自分の部屋に入るときには靴を脱ぐっていう習慣、抜けなくて」
異世界人でその習慣がないソルアも、俺に倣(なら)って行ってくれていたのだ。
「いえ。直ぐ、終わりますので――んしょっ、っと……」
その時、前かがみのような体勢になっているソルアを見て、衝撃を受ける。
――そっ、ソルアさん!? スカート! スカート!
タイトでとても丈の短いスカートが、めくれ上がりそうになっている。
それに伴い、ソルアの下着も……だっ、ダメだ!
「俺、水、入れるわ! ソルアも飲むか!?」
「あっ、はい! ――あっ、いえ、私が入れますので、ご主人様はお座りになってお待ちいただければ」
これ以上の問答は、不要な煩悩を生むきっかけになりそうで。
俺はソルアから視線を切り、いそいそと台所で水を汲むのだった。
「ふぅぅ……美味い」
普通の水がこんなに美味しく感じる日が来るとは。
未だ稼働してくれている水道に感謝しながら喉を潤す。
「本当……とても美味しい」
ソルアも喉をコクコクと鳴らし、コップに注いだ水を飲み切る。
異世界人にも、日本の水道水は好評のようだ。
だがこの水も、ずっと出てくれる保証はないんだよなぁ……。
ストックは今の内にできるだけしておいた方がいいか。
「ソルアも休んでてくれ。まだある菓子パン、食べていいから」
休んでと言わないと、ずっと俺のためにと動いてくれちゃいそうだしね。
「あっ、はい。ありがとうございます」
ソルアが腰を下ろしたのを見て、俺も自分のやるべきことに取り掛かる。
まずは残っている食材の確認だ。
「うーむ……そんなに多くない、かな」
ソルアにあげる菓子パン3つを除くと……。
消費期限がヤバい豆腐が3丁。
スライスチーズが2枚に、冷ご飯がお茶碗1杯分。
6枚切り食パンは残り3切れか……。
牛乳は……この臭いだと、ちょっと怪しいな。
「冷凍食品はどうなんだろう……このチャーハン、行けるのかね?」
電気がダメなので、冷蔵庫での保管が必要な食材は基本ダメだと思った方がよさそう。
そうでなくても早めに食べ切った方がいいだろう。
カップ麺は4つ、袋めんはまだ10食分以上あるけど、調理もできないしな……。
――やっぱり、外に行っての調達は必須か。
□◆□◆ ◇■◇■ ■◇■◇ ◆□◆□
「さて――」
また近く外に行く必要性を認識したが、だからと言って今急いでも仕方ない。
休めるときは休む。
そして回せるときに回す。
そう――
「よしっ、回すか!」
ガチャを!!
実際、食料調達しに行くうえで、自分の強化は絶対必要だ。
近い場所でコンビニか、いつも使っているスーパーかドラッグストア。
どこに向かうにしても、今回の遠征より確実に距離がある。
つまり、今回以上にモンスターと戦う可能性があるんだから、強くなっておいて損はないのだ。
理論武装完了、よしっ!
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~通常ガチャ~
毎日1回ガチャ無料!
通常1回:20Isekai
10連:200Isekai
※10連ガチャの場合、★3以上が1つ確定
==========
①~
★5確定ガチャ券
※ジョブ、スキル、異世界奴隷のうち、持っていない物が排出
==========
現在:1115Isekai
「まずは、Isekaiを使っての10連、試してみるか」
さっきの外出・遠征でIsekaiがちょっとだが稼げた。
その分も使ってやってみようということだ。
10連だと★3以上が1個確定だというし。
余裕があるときに、どんなもんか試しておいた方がいいだろう。
前回と同じように、【異世界ガチャ】の発動を念じる。
大きな麻袋、マジックバッグが登場。
そして1回か、10連かの選択肢が出てきたので、後者をタッチ。
「おおっ! 来たっ!」
麻袋がどんどん光を強めていく。
そして10個の光の結晶が次々と吐き出されていった。
==========
ガチャ結果
①薬草 アイテム ★
②8Isekai その他 ★
③【索敵Lv.1】 スキル ★★★
④
⑤MP+1 能力値 ★
⑥薬草 アイテム ★
⑦魔力+2 能力値 ★★
⑧魔法のステッキ 装備 ★★
⑨黒パン その他 ★
⑩【村人】 ジョブ ★
計:★1×6 ★2×3 ★3×1
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現在:923Isekai
「おぉっ! ジョブが出た!」
と、一瞬喜びの感情が沸き上がったが、よくよく見ると★1。
しかも【村人】って、全く戦闘に役立たなそう。
まあその先入観を逆手にとって、WEB小説とかではチートになったりするんだけど。
試しにその白の結晶を使おうとするが――
<既にジョブを取得済みです。ジョブ【ガチャ師】を破棄して、【村人】を取得しますか?>
二重にジョブを習得することは今はできないらしい。
【村人】は今のところは保留、ってかハズレかもな……。
「でも、“★3以上1個確定”は伊達じゃないな!」
スキル【索敵】が出てくれたのはデカい!
==========
●索敵 ★3
スキル。
自らの周囲にいる敵を探知し、それを認識することができる。
範囲はスキルレベル、魔力、消費MPに依存。
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っし!
これこれ。
今回外に行って、警戒しながら進むことが想像以上に疲労することを実感した。
スキルでモンスターの位置が事前に把握できるなら、他のことに神経を割ける。
前回同様に出てくれた“
[ステータス]
●能力値
Lv.2
HP:16/16
MP:12/12→13/13
筋力:14
耐久:6(装備+5)
魔力:4→6
魔法耐久:3
器用:6
敏捷:8
●スキル
【異世界ガチャLv.1】
【身体強化Lv.1】
【MP上昇Lv.1】
【索敵Lv.1】(New!)
「よしっ! この調子で――」
==========
①~
★5確定ガチャ券
※ジョブ、スキル、異世界奴隷のうち、持っていない物が排出
==========
こっちのイベントも、今の内に消化しておくことにする。
しかし“生存”と書いて“ログイン”とは。
皮肉なのかなんなのか……。
タッチすると、一枚のチケットが現実に出現する。
「これが……“★5確定ガチャ券?”」
だがその紙幣ほどの大きさ・手触りの紙には、既に【スキル】との文字だけが書かれていた。
……確かに【異世界奴隷】は既にソルアがいる。
とすると……【ガチャ師】が★5ジョブってことで、持ってる判定?
「まあ別にもらえるなら、何でもいいけど」
★5だしね。
どれをもらえてもありがたいことに変わりはない。
ガチャ券を麻袋にかざすと、ガチャガチャや自販機に紙幣が吸い込まれるようにしてガチャ券が消える。
それでガチャがスタートした。
「でも、どうせならアイテムも候補に入れてほしかったなぁ……」
★5で異世界のアイテムとくれば、マジックバッグ・アイテムボックスが出てくる可能性が極めて高かったはずだ。
いいよねぇ、あのチート。
俺も使いてえわ。
「おっ、やっぱ確定演出あるのか」
虹色の光が宿り、それに対応する一つの結晶が排出される。
さて、どんなスキルが飛び出すか――
==========
ガチャ結果
●時間魔法Lv.1 スキル ★★★★★
==========
「はいはい、時間魔法ね、時間魔法。じかん……」
…………。
……。
…。
――時間魔法!?
アイェェェ!?
時間魔法!?
時間魔法ナンデ!?
未だ動揺が続き震える手で、虹色の結晶が本物かどうかを確かめるように、使おうと試してみる。
<使用不可。【時間魔法】習得に必要な
容量オーバー!?
短時間で、二重に驚かされることになったのだった。
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