第61話

人って簡単に崩壊するんだなって。


「とりあえずお風呂、入りません?」

「そうしようすぐ入ろうそれしかないそれ以外はありえない」

もうこれ以上ツッコミ続けては疲れて立て直せなくなる気がした。


何はともあれイソイソとお家の中へ、もうどんな内装だったか、部屋割りなりなんなりなんて覚えてない。

次に記憶があるのは脱衣所だった。


なんかもう、キラキラしてた。凄かった。

「髪の毛つやつや!長くて綺麗!めっちゃ紅いんだけど地毛でそれはヤバクナイデスカ?エ?エ?エ?マジ??うわっでっっっっっっっっっか!くはないか…ほどほどだぁ…安心するなぁ…よくよく考えたらスタイル良い…足長……170はあるな…しっぽ可愛いー!ついてる!付け根から生えてる!しっぽが!すごく…太…つの可愛い!やばい!猫耳とかつけたがる人たちの気持ちがよくわかる!美少女にそのオプションは蛇足じゃなくて必需品なんだ…。これはないと美少女じゃないんだ!擬人化って文化は素晴らしいなぁ…。日本に生まれてよかった…。キバも可愛い…するどい!でもぷりちーだ。うむ。いや肌ツヤヤバすぎるもちもちだ!きめ細か!無駄なものが体のどこにも存在しない!必要なものしかない!どらごんすごーい!あ、顔が赤くなった可愛い照れてる〜一生眺められるなこれ絶景すぎるんだけど文化遺産とかになれるんじゃないか?」


「…………あの……恥ずかしいです。やめて欲しいです…聞こえてるのでなおさらです…」

「は?モジモジ可愛すぎるんだが?!これが…恥じるということか!素晴らしいな恥じる美少女…マンガでモジモジがよく出てくる理由がこれか!素晴らしい!」

「…おっさんですか?気持ち悪いです。焼き殺しますよ」





「お構いなく、今それどころじゃないんで」



ヒドイ

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