第45話

「で?まず誰?」

こういうのは順序だてしなければ頭がこんがらがる、そう本能が囁いたのでゆっくり聞いてみることにした。

「ふっふっふ、聞いたな?ならば答えてやるですよ!我について!」

「あの、やかましいので少しボリューム下げてもらってもよろしい?」

「アッ、ハイスミマセン」

素直ないい子だ、変なキャラさえ付属させてなければだけど。

「おほん!あ、こ、コホン。我が名はシュナ!誇り高き竜種の末裔なり。原種は始祖、すなわちこの世に終焉をもたらす最凶の末裔である。控えおろう、近くば寄って目にも見よ。ですよ。」

「最後のやつがなければカッコよかった」

「ぬおっ!そんバッサリと…容赦のない人間ですね」

「しゃべり方は今の方が落ち着いてて好きだけどね」

「ん?なんですか?惚れましたか!わた、我に!求愛ですね?いいですよ認めましょう!まずは贄として鮮度のいい生き物の死体を1万、差し出してもらいましょうか!さあ!」

「あっ、ムカつくようになっちゃった。ねえ殴っていい?」

「すみません謝るのでその死んだ竜種の目で睨みつけるのはやめていただけませんか?」

あっ、傷ついた。何死んだ竜種の目って聞いたことないんだけど。

魚じゃないのそこ、てか死んでたら目開くの?竜種って。

「あとサラッと鮮度のいい死体とか言った?物騒だね、生臭いのは苦手なんだ、求愛も求婚もしてないから。じゃあ元気でね、えーと、シェナ?だっけ?」

「油断も慈悲もへったくれもないですよ!」


さっきもっと物騒なこと言ってた気がするけど触れる方がむしろやぶ蛇だよな、まさに触らぬ竜種に祟なしだよ。無視するに限る。

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