第42話

まあ、歩けど歩けど見えるのは豊かな自然!

目が良くなりそうだ、緑っていいよな。

なんて思考放棄しながら歩くこと、もうどのくらいだろうか。

「そこの御仁!わたしを拾ってはどうかな?」

幻聴かな?あんま意味がわからないし分かりたくもない言葉が横から飛んできた。

見るべきか?反応するべきかな?それとも無視するべきだろうか…うーん。


反応する

無視する


迷う…これは迷う、反応して変なことに絡まれたら嫌だし、かと言って無視して後ろから刺されても嫌だし…。


しょうがないので反応してあげる◀

絶対に関わりたくないので無視する


反応してやろうじゃあないの私優しー。

「えっと、どうかしましたか?」

反応はする、声もかける、飛び切り引きつった顔で。

横を見れば大きめダンボールの中に入って目を輝かせてこっちを見ている女の子、がいた。

「ヱ?」

理解が追いつかない、なんで?ダンボールに入って拾ってください、はイヌネコまでじゃないの?いやダメだけどね?やったらダメだけどね?

人いれるか?ふつー?倫理とか大丈夫?道徳心ない?人の心どっかに落としてきてない?

うわぁ…やらかしたァ…


つい優しさで反応してしまったことを悔いた。

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