第39話 はじまり

頭上で輝く星が痛く光る。

眩しい光は暗闇を照らす、けれど強ければその眩しさに負けていかに自分が光れないかを突き付ける苦しいだけのものへと変わる。

「星の輝き、今はしんどいな…」

そういったのもつかの間、世界が黒から白へと変わる。

そうして世界の再構築が終わり、気がつけばただ広い草原の上に立っていた。

「なんかぐちゃぐちゃだぁ…」

感情はブルー、けれど星より優しく光る太陽、

嫌な感情を飛ばしてくれそうな心地よい風とそれになびいてザワザワと動く草はどこか懐かしさを感じさせつつ心を温めてくれた。

「気持ち良いな…」

ふと気がつけば目頭が熱くなっていた。

「ありゃ、いつの間に…」

嫌なものを押し出すように流れて止まらない涙

「頑張るか…ここで。ね」

そう呟いて両頬を強く叩く。

「私の理想を叶えるために、いざスローライフを!」

そういってやっと、自分の足で歩く旅。


ようやくここから始まるのです。

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