第38話

「えー、真っ暗なの…やめてよ〜」

闇の中でふざけてみてもいつものツッコミは来ず。1人自分の声だけが木霊する。

「1人…やだなぁ…」

途端に不安が押寄せる、さっきまで「よっしゃ行ったらんかい!」となっていても結局自分で踏み出す前にことが進めばその意気込みは「本当に大丈夫なのだろうか」と変わる。

胸が締め付けられるなんとも言えない感覚。

「あぁ…寂しいな」

賑やかであればあるほど、ふざけていればふざけているだけ、それが終わってしまった時に残る虚しさも悲しさも増えるばかり。

「だから賑やかなのは嫌いなんだ、別れるのがその分辛いから」

視界が暗闇に染まったからかいつもよりネガティブに。

白い世界なら違ったのかなぁ。

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