第24話
停滞、まるで話が進まない。
グダグダだなぁ。
「ブチ切れて止まらないなこの子、どうしようか。母さん」
冷静にお茶をすする父親とそれで遊ぶ母親、何食わぬ顔で新しいお茶を用意する娘。
うーん、カオスな家族。
さっきまでのシリアスとは
「面白いからお茶請けも持ってきちゃきましょ。たしかそこの戸棚の中に煎餅があったはずよ」
いそいそと言われるがままにせんべいを出して広げる娘。
「俺で遊ぶな…!
見せもんじゃねぇんだぞコラ」
顔真っ赤。
「で?なんで私の父親と母親ここにいるの?あとなんで名前違うの?君」
「俺のお茶は?」
「なんで父親と母親ここにいるの?あとなんで名前違うの?お前」
「俺のお茶は?」
「父親と母親がなんでここにいる?てめえの名前が違うわけは?」
「イジメか?新しいハラスメントか?良くないぞそういうの」
「吐けよ早く」
「吐いて楽になっちゃいなさい?」
「お前がやった事はわかってんだよ、な?」
肩に手を乗せて優しく威圧的に、問い詰める。
矛盾しつつ、いわゆる刑事ドラマのアレだ。
「ボケてなんかやらないからな!」
「まあまあ、とりあえずおせんべい、食っちゃいな?」
クイクイっとエアーサングラスを上げて差し出すせんべい。
フニャッ
「なんでぬれ煎渡す?乾いたやつないの?」
「お前にはこれで十分、田舎のお母ちゃん泣いてるぞ?」
「俺に親は初めから居ないが?泣き脅しは使えねぇんだよ。あめぇあめぇ」
「どのくらい?あんこにはちみつかけて粉砂糖まぶして水飴でしゃぶしゃぶしたのとどっちが甘い?」
「気持ち悪…虫歯になるわそんなもん…うぇぇ…想像したら胃もたれした」
「先進まないから早く喋ってくれてもいいぞ、お父さんもう眠くなっちゃった」
「まだ朝だが?なんでこんな自分勝手なん?この家族。自由奔放が悪い方向に行くなよ」
「お茶、やるから話せ。な?」
「お前はさっき死ぬほど怒られてたんじゃねぇのか。しれっとふざける方に回ってんじゃねぇよ。もういっぺん気まずくなれ。もっと怒られろ反省が足りない」
ダン!
台パンみたいな音を出してようやくさルーシェのお茶が用意された。
「危な…アッツ!」
「あ、熱いよ?それ」
「先に言えよ」
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