第22話

そういえばこんな子がいたな、と。

しかして全員が忘れているこの人は誰だろう。

「ぶっ飛ばすぞ?お前」

「女の子なのにその口の悪さたるや…ろくな教育をうけていないのか?」

怖いもの無しかこの母親は。

「ねえお母さん、オブラートとか言うの知ってる?」

「そんなもん私が知るわけないだろ、なんだそれは食えやしないくせに」

あまりにもとんでも理論な親だこれ。

「知らんのか?母さん。あれ実は食べられるんだよ、しかも意外と美味いと噂だ」

この父親もアホだなぁ…なんでこの人たちにあんなに怒られたんだ?ワタシは。拍子抜けするよ…

混沌とか深淵とかそういうのは意外と隣にいるんだなという学び。

「オレはサルーシェ、あんた達をこの世界に連れてきた神様の使いだ!覚えておきな!」

「なんか名前違うくない?もっと日本名みたいじゃなかった?あとやっぱりどっちなの?性別」

寧音もひるまずにそう言えるのだから、やはり遺伝は存在するんだなって。

カエルの子はカエル、あの親にしてこの子ありとはよく言ったものだ。

「そうなの?私達が会った時はこの顔でこの見た目のまま名前も洋名だったわよ」

「あぁ、そう…」

「名前にこだわりなんてないからな我々は。あそこにいた神様だって正しい名前じゃない、あと俺そもそも知らない」

「使いなのに?使えないね…」

「喧嘩売るのが好きなのか?寧音は。いいぜ勝ってやるよ、表出ろやあ!」


暴力ダメぜったい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る