第18話
けれど何が来た?
連絡か、本人か、否、否、否。
無機質に告げられた、他人に、全く知らない人からの娘の死。
これ以上の親不孝がどこにあろうか。
「なんの冗談ですか?ふざけてるなら怒りますよ?」
「いえ、ふざけているわけでは…」
「なんと今おっしゃいましたか?」
「ですから、おたくの娘さんが今朝お亡くなりになった、と。」
「は?」
「……」
「ふざけるなよ!急に電話をかけてきたかと思ったら変な事ばかり抜かしやがって!」
「…」
「ワシは信じないからな!本人から聞くまでは信じないぞ!」
「おとうさん!落ち着いてください!」
と、そんな会話があった。
荒れに荒れたそうな、
「その憤りをどこにぶつければいいのか分からないまま今ここにいる」
何も言えない。また沈黙が痛く響く。
「…さい……ごめ……」
もうそれ以上もそれ以外も湧き出る言葉はなく。
「ごめんなさい…ごめんなさい………」
泣きながら謝るしかできなかった。
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