第16話
朝っぱらから父母の前で泣きじゃくった後、スンスン言いながらお茶をすすっていた。
「で?」
はい、まあソウデスヨネ。
その「で?」たった一言で場が少し凍る。
ただ、嫌な感じではなく背筋が伸びるほどのある種緊張だった。
「急に家を出ていったと思ったらあんなニュースで結末を知った私らはどうしたらいいんだい」
「…」
まるで口が開かない。けれど言わなければならない
頬を二度強く叩いて真っすぐ両親の目を見て、姿勢を正す。
そうしてあったこと、自分がしたことすべてを語りだす。
タンカを切って意気揚々と上京したこと、就職先が思ったよりもえげつないブラックだったこと、パワハラセクハラ、その他圧力に負けたこと、そうして自殺に走ったこと。
ただ、重苦しい空気だけがそこに漂い続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます