第6話・Sクラス

 あの教会での出来事から5日後、ようやく2度目の始業式が始まった。今回は残念ながら俺の両隣は全く知らない人になり、一切会話できなかった。一応ケイゴを探したが見つからずに、結局見つけることなく始業式が終わった。

 始業式が終わった後、先生に案内されて、クラス分けの発表が行われた。

 まあ、俺はあの事件のおかげで最も優れたクラスSクラスに分けられることが確定しているけど。

 ぶっちゃけあんまり目立ちたくないし、Sクラスにはなりたくはないが、まあ、ケイゴと同じクラスだしSクラスの方が自由度は高いし外にもより出れるらしいから良いんだけど。全部ケイゴ情報なんだけど。


「何故だ、何故公爵家二男である我コリアン・ホリモント・スット・ボケンがAクラスだと、ふざけるな、おいクソ教師何故我がAクラスなのだ」

 うわ、7歳児が教師に向かって喚ている。なんか、こう俺からしてみればスーパーでお菓子買ってて喚く子供みたいだな。非常にみっともないな。


「いや、あの、元々10人の枠しかなかったSクラスに急遽入ることとなった人が2人出たため。このような結果に」

「は?それは、どういうことだ、じゃあ、その急遽入ったのはどこのどいつだ」

「すみません、それは学園長から口止めされていまして」

「口止めだと。我のいうことが効けぬのか、お前なんてお父様に頼めば一瞬で首だぞ」

「ひ、それは、あの、え~、アイツです」

 俺を指さす教師いやクソ教師、こいつ生徒を売りやがった。マジかよ。信じられない。ぶち殺してやろうか。いやでも流石にそれしたら不味いんでしないけど。

 ハア、さてと厄介ごとの匂いしかしないし。今面倒起こすのは嫌なので、しょうがない、逃げますか。


「おい、待て、そこのお前待て」

 聞こえない、聞こえない、俺は何も知りませんっと。ササっと家に帰っていつもの訓練でもしますか。


 ――――――――――

 家に帰ったら。父親に多少蔑まれた目で見られながら言われた。

「何クラスだった、期待はしてないけど一応聞いておこう」

「Sクラスだけど」

「ハハハ、Sクラスだ、そんなわけないだろ、Sクラスってのは何らかの特殊能力を持った人もしくは公爵家や王家のみが選ばれる、選ばれしクラスだぞ。そんなクラスにお前みたいな無能が入れるわけないだろ。はあ、聞いた俺が馬鹿だった、顔すら見るのが不愉快だ、部屋に戻れ」

 何か怒られた。別に気にせんけど。ぶっちゃけ、この下半身に脳みそ喰われている父(仮)なんてマジでどうでもいいからな、生きようが死のうがどうでもいい。いやまあどうでもいい言っても多少は腹立つから機会があればそれ相応の復讐をするつもりだけどね。

 今は面倒だしせんよ。


「はいはい」


 俺はそうやる気なさそうに返事をして部屋へと向かう。

 しかしあれだな、俺が思ったよりもSクラスというのは凄いようだな。

 まあいいや、取り敢えず今からSクラスについてちょっと調べるか。といっても質疑応答で質問するだけだけど。

 質疑応答・質問だ。【貴族院学園のSクラスってのはどんなんなんだ】

 11ポイント消費します。

 貴族学院Sクラスというのは貴族学院創立当時中でも特に優れた10人にSバッチという称号を与えていたのが発展して優れた10人をクラスに集めるというのになりました。

 それがSクラスの始まりです。

 その後Sクラスからは世界を脅かした悪魔王、殺戮王、変態鬼、毒魔王、神殺狼、崩壊球、不死存在、骸死、大魔王、超悪徳主、感染魔王、呪人形主、千目凶、ナニマルスカ、存在禁忌、禁忌魔量者、等々の怪物達の討伐をした戦士王に勇者に賢者等の歴史に名を残す英雄達を排出しました。

 それにより、Sクラスというのは未来の英雄候補と見なされるようになり、Sクラス出というだけで様々な面での待遇が良くなり、Sクラスというだけで民衆からも応援され王様からも一目置かれます。

 だからこそ貴族たちは皆Sクラスになろうと努力をします。

 因みにSクラスの決め方は教師と学園長と王様と教皇様によって決められます。

 Sクラスの授業内容としては、Sクラス10人にそれぞれ専門的に教える人が選ばれて、教えてくれます。他にも自分でやりたいことや行きたい場所を言えば可能な範囲であればやらせてくれます。

 その他Sクラスの人は要求すれば学園内に個室が支給されます。

 自由に成長させて英雄にそれがSクラスのモットーの一つでありますから。


「想像以上にSクラス最高じゃん。個室やら、ある程度の自由行動やら、これは俺Sクラスで良かったわ」

 さてと、Sクラスの凄さも分かったし。

 いつもの訓練しますか。


 1時間後


 取り敢えずある程度訓練が終わった。といっても魔石を作ってて魔力が大分減ったから中断しただけだけど。 

 さて、じゃあいつものように質疑応答に日本の情報を入れていきますか。


 1時間後


 大分ポイント入ったな。

 やっぱり日本の知識はポイント効率が良いな。まあ、どんな些細な情報でも知っている人数が数十人程度しかいないからな。

 そりゃポイント効率はいいよ。なんだかんだでスキル質疑応答は使うしポイントはいくらあっても困らないからこうやってコツコツ集めるのは超絶大切だな。

 塵も積もれば山となるですね。もう既に巨大過ぎる山になってるけど。

 さてと、1時間立って多少魔力が回復したし、訓練しますか。


「お前、一体何をやらかした」

 訓練をしている途中いきなり鬼のように怒った顔で父親が怒鳴り込んできた。

 どうせSクラス行くことが確定してるしサクッと殺してやろうかと思ったが、まあ流石にヤバそうなのでやめておく。

 いやでもこの家を出てく時は殺すか。うんそうしよう殺そう。一応俺の産みの母の仇な訳だしね。もちろん証拠を残さないように気を付けてね。


「え、何ですか、急に?」

 取り敢えずこの家を出た時に殺すと決めたことだし、肩をすくめてふざけて煽るように答える。


「何ですかだと、ふざけるな、公爵家からお前に対して貧民街へ一人で来いという手紙が来たぞ。基本的に貴族が一人で貧民街に行くというのは自殺するのと同義、つまり、お前は公爵家に死ねと言われているということだ。そんな状態なのに何ですかだと、ふざけるな、お前みたいな無能別にいらん、公爵家のご機嫌取りのために死んで来い」

 そう言って父親に貧民街の地図とそこに綺麗な字でここに来いと書かれている手紙を押し付けられた。

 え、普通に嫌なんだが、いや待て、これを口実に平民街に行って欲しかったものを色々買ったり、緊急時の空間転移にも利用できるんじゃないか、本当は学園行ってから自由行動できそうなときにするつもりだったけど、早いに越したことはないしな。お、そう考えるとラッキーだな。いやでも、厄介ごとに巻き込まれるのは嫌だな、面倒だな?


「何をダンマリしている、早く行け」

「はい、はい」

 とやる気のない返事を適当にする。さてと、しょうがない、取り敢えず一旦外に出てから考えよう。



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