un-

ひとつめ、 雨が止んだ。

ふたつめ、 風が止んだ。

みっつめ、 雷が止んだ。


よっつめ、 犬の笑い。

いつつめ、 お婆さんの会釈。


むっつめ、 好機の到来。

ななつめ、 助っ人登場。



あぁ、

彼女は、ただ そこに居るだけ。

居るだけで、

彼女の存在は、許された。


それ以上 何かを望むなら、

あのの側に 居られないかも…



−−−

雨が 降って、

風が 吹いて、

雷が 鳴り響く。 


犬が 吠えて、

お婆さんに 睨まれる。


好機は すり抜け、

人に 見捨てられる。



『…忘れ去られたくは、ないだろう?』



だから、

あのの側に居て…



あん、 中身がなくては ならないわ。

あん、 くつろげると いいけどね。

あん、 そこに 浮かばなくとも。

あん、 それも 必要で。

 だら、あん心? 安らげる?


 あんにも、あんにもなれますまい。




「あん」は、あん? いな

 Ann《アン》でも、Anne《アン》 でもなくて、un-《アン》




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それは否定の接頭辞 【KAC20236】 結音(Yuine) @midsummer-violet

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