第6話




三人で囲んだ夕食は何故か僕だけが居心地の悪い空間で

惣菜のコロッケが重く感じた。


明日は咲が海に行きたいと言うから

母の運転で行くらしい。


母「あんたも行くのよ」


そうですよね、分かってました。

(我が家のルール①母の決定は絶対)


・・・翌日


寝過ごした僕を咲は遠慮なく叩き起こす

やけにご機嫌な理由は言うまでもない


車に荷物を詰め込んで

三人なのに母の愛車が狭い

(軽ではあるが。)


浮かれた17歳は走る車から顔を出し

懐かしい歌を歌う


それは僕が昔よく聞いていた歌だった


海に着いたころにはお腹が空いていて

海の家のメニューを端から端まで頼んだ


母は意外だと思われがちだがよく食べる人だ

咲も小柄な身体に似合わない量を食べる

僕の食欲が薄く映るくらいには


腹ごしらえが終わり海を満喫

僕はアウトドアは苦手だと思いながら

夕方まで程々に楽しく過ごした


薄暗くなる頃僕らは浜辺に座っていた。

母は車で寝ていたから

咲と2人些細な話をしていた

高校生活や進路、友人の話

嫌いな教師の話とか


そして両親の話


2人で初めて夕陽を見た

僕たちは懐かしい歌を歌って

僕たちは思い出す





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