333は不幸の数字……?

鬼影スパナ

333


 「7」という数字がある。ラッキーセブンと呼ばれるもので、なぜか7は色々縁起がいいらしい。七不思議、とかもなぜか7だ。

 まぁそんな感じでスロット由来の「777」などは特に縁起がいいとされている。


 その一方で、「3」という数字もまた色々と由来がある。世界三大珍味、三大美女、三すくみ……表彰台も3位までだったりと、中々に多用される数字だ。



「そして、『3』は『7』の逆の数という説もある。これは『10』から『7』を引けば『3』になるからだ。……というわけで、333はラッキーセブンから最も遠い、アンラッキーセブンというべき数字なんだよ!!」

「な、なんだってー!?……って先輩。777と333を足したら1110じゃないっすか。その理屈なら1000から777を引いた223がアンラッキーセブンになるべきじゃないっすか?」

「む。その説は新しいな後輩」


 特に考え無しにデタラメを口にする癖がある先輩は、かちゃりと眼鏡の位置を直した。


「だがなぁ後輩。俺としては223をアンラッキーセブンにはしたくないのだ」

「ほう、その心は?」

「語呂合わせだ」


 語呂合わせ。数字をひらがなに直し、意味のある言葉とする『言葉遊び』である。

 そして、後輩はピンときた。丁度自分の名前が、223を語呂合わせした名前になっているということに……!


「先輩、もしかしてウチのこと好き――」

「富士山。そう、223は富士山と読めるのだ。日本屈指のパワースポットである富士山をアンラッキーセブンには出来ぬだろう?」

「そっすね! フジサンっすね!!」

「どうした後輩。顔が赤いぞ。……机をたたくな、手を痛めるぞ」


 後輩はゴン、ゴンと机を殴っていた。羞恥に顔を染めながら。


「まぁそういえば後輩の名前も223と置き換えることができるな」

「えーまーそうっすねー。ええ、そうなんすよ、ハハハ奇遇っすね」

「そこを考慮するとやはり223はアンラッキーセブンには出来ないな。後輩といると楽しい、不幸にはならんからな!」

「……そういうとこっすよ先輩……ッ!」


 後輩はゴツンと机に額を打ち付けた。にやけた顔を見られないように。

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333は不幸の数字……? 鬼影スパナ @supana77

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