第3話 聖女様は長湯したい②
「ふ〜む……」
暫し、ぼへー、っとお湯に浸かっていると、だいぶ身体がぽかぽかしてきた。
……そうだ、久々にアレをやろう!
「え〜と……創った方が早いか……」
《創造魔法》で適度な大きさのお盆を創り、水に浮くようにちょちょいと細工して湯船に浮かべる。そこに透明なガラス風の美しい感じにデザインした器を創って乗せると、《収納魔法》の中からお目当てのある物を取り出し、蓋を開けて中身をテキパキと盛り付ける。うーん、これくらいかな? いや……もうちょい…………よし。
「てってれてー! お風呂でアイスー♪」
日本で大人気の某猫型ロボット風テンションで締め括って出来上がったのは、照明の光を反射してキラキラと輝くガラスの器に盛られた、半球状の白くて冷たいアイス。それをぽかぽかのお風呂に浮かべて食べる。何という贅沢。正に悪魔の所業。因みにこの収納魔法の中の物は時間が経過しないっぽい。なのでアイスは冷え冷えです。
「では、いただきまーす」
収納魔法から取り出した銀のスプーンを手に持って、アイスにゆっくりと差し込む。ヌッとした感触のあと、いい感じにスプーンに乗ったアイスを、あーん、と口へと運ぶ。冷たい感触と共に、ミルクとバニラが合わさったような乳製品の甘い香りと、とろり、と柔らかくとろける濃厚な甘みが舌の上に広がり、喉の奥へと消えていく。
ん〜〜〜〜甘い♪ 冷たくて美味しいっ♪
もう一口
甘〜〜〜〜い♪ あ〜〜〜〜幸せーーーー♪
……あーそうだよね。確か脳のエネルギーって糖分だけなんだよね。
もう一口掬って、ぱくり、と食べる。舌の上に乗せただけなのに体温でとろ〜、っと溶け、柔らかくて幸せな甘さが、私の味覚を支配する。
甘いっ♪ 甘〜〜〜い♪ あーまーいーーー♪
あー……これは駄目だ。駄目になる甘さだ。アイスが無いと駄目な体にされてしまう……。
……そういえば、私が地球の知識を使って最初にアイスを作った時は、子ども達は初手完落ち、
…………大丈夫かな、みんなっ⁉
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