第7話 第七転生



 ワタシの目の前にはただ真っ白な空間が広がっていた。


 かろうじて空と地面の境界は見えるがそれもぼんやりとしている。


「ここは!?どこなの!!!」


 大声で叫ぶワタシの声は虚しくこだまする。


 なんでこんなことに!?一体どこなのよここは!!

 ワタシは必死に、記憶の糸を辿りよせる。


「お…思い出したわ…!」



─────────────────────


 ワタシの名は転辺生美かるべいくみ

 都内の中堅高校に通うごく普通の17の魔法少女!


 悪の世界パンデモニウムから侵攻してきた魔女王隊マスキュリンとの最後の決戦で、魔女王パーラメントを倒したその瞬間、敵の大幹部マ・ルボロに後ろからやられたんだわ!


 最後の記憶は…倒れて意識が薄れていくワタシの顔を、ペロペロと舐めているマ・ルボロの顔!!


─────────────────────


「キモ!なんで私の顔を舐めるのよ!キモい!!」


 怒りと同時に、不安と恐怖が襲ってくる。


「えっ」


「てことはひょっとして…」


「ワタシは死んで、ここは天国ってこと!?!?」



「101101101110100101」


 突然頭の中に音が響く。


「!?」



 キュポポーン!



 奇妙な音と共に突然目の前に、丸っこいロボットが現れた。


「10111001110101011」


「わっ!なんなのこの子!?」


「110101010010」


「!?」


「100101110101001010」


「なに言ってるかわかんない…」


「10001000111101101011」


「うーん…」


 頭がこんがらがる。

 しかし、どうもワタシが死んでしまったのは確からしい。


「1101001001110101011010011」


 もはやワタシの頭の中にこのロボットの存在は入ってこなかった。

 ワタシは、死んだんだ…。


「01101101010110」


「110101010010111010」


「…よし、転生しよう!」


 転生。生まれ変わり。前世の記憶を持ったまま生まれ変わった人生を歩む…そんなことが出来るの!?


「0110110」


「転生の魔法で、もう一度、生まれ変わって幸せな人生を送って見せる!」


「110101010110111010」


 魔法の発動と共に、ワタシは光に包まれ、意識が遠のく。



 ワタシは…転生して…今度こそ幸せな人生を送るんだ………。

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