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げこげこ天秤
お題:「アンラッキー7」
ぬぁーにが「アンラッキー7」だ。
ふざけたこと抜かしてんじゃねぇ!!
そんなふうに、
「またクソみてぇな歌詞考えやがってよぉッ!!」
天に吠えるその少女は、さながらメドゥーサのような風貌であった。髪が長くボサボサであることもそうだが、赤と黒に染め上げられていて、近寄りがたい見た目をしている。強調され鋭い目つきはまさに悪魔であり、指輪とピアスの数は世界を恨んだ数。当然、彼女が街を歩けばその派手さで周囲から目を引く。そんな傍目には不良にしか見えない彼女は、背中に背負っているギターケースを身分証明書としていた。
けれど、そんなギターケースを、いまは地に叩きつけたくなる衝動に駆られている
二人が所属するのは、ガールズバンド・
前回、
その上、
ところが、相方の
「って言われても、気が乗らないんだよねー」
さらに、こんなふうに。
他方、やはり
だから、作詞・
「ったく、とんだ貧乏くじだ」
「……」
「あ? んだ、その顔は。言いたいことがあれば言――」
次の瞬間、
「て、テメェッ!!」
「ふん、ふん、ふん、ふーん♪――なるほどね!!」
そして、
「聞いてください!! 新曲『アンラッキー7』!!」
「――ッ!! ざ……ざっけんな!!」
* * * * *
* *
―― 『
♪ ♪
♬ ♪ ♬ ♪ ♬
希望が絶望に変わる、その顔が好きだ。
だって、よく言うだろ?
他人の不幸は蜜の味って。
人を不幸に叩き落すには、幸せをチラ見せすればいい。そうやって見せた
僕はアンラッキー7。
2番目の7。
77……が揃えば、君は歓喜。たちまち満ちていくドーパミン。あとは最後に、君の脳汁が色褪せていく瞬間を見るだけだ。さあ、宴の時間だ。果たして君は、9よりもおいしいのかな(7 ate 9)?
けど、この世はそうやって出来てるんだろう? 数の決まった餌が色んな場所に吊り下げられてる。みんな垂らされた餌を食らおうとして、必死になって紐なしバンジーしてないかい?
僕はアンラッキー7。
僕は君を食べたい。
「うっせぇ!! ぬぁーにがアンラッキー7だ。ふざけたこと抜かしてんじゃねぇ!! またクソみてぇな歌詞考えやがってよぉッ!!」
777/2 げこげこ天秤 @libra496
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