LGBTQを出したのに……/令和にやるにはあまりに古くさくはないか?

 LGBTQを登場させたにもかかわらず、時代に逆行しているかのように本話で描かれているのは嫁姑問題や側室コンテストである。

 昭和の民放ドラマでも見ているのかと思った。お色気描写じみたものに、自分はタイムスリップしたのかと……。


 特に私が問題だと思ったのは、側室コンテスト内で子役さんに「子もたくさんたくさん産めると存じまする」と言う台詞を言わせた事だ。正直正気か?と思った。こんなもんBPO案件じゃないんか?

 アニメならいいよ。漫画でも小説でもいいよ。実写は……いいんか?


 私なら、両親が、まだ幼い子を連れてきて、幼い子は嫌がっているのに、この子はもう17で、子もたくさん産めますると言わせる。というようにする。


 此処で一つ思いついた展開を提示しよう。

 両親に連れられてきた幼い子は、殿の側室になるという意味が良く分からず嫌がっているが、両親が強力にそれを望んでいる。それを見た家康は、両親を窘めながら、お菓子か果物、何かそういった子供が喜びそうなものを与え、家に帰す。

 家康は側室が沢山いたらしい。ただその年齢などは、私は存じ上げないので、これが成立するかどうかは何とも言えないが、後にそのとき帰した子が成長し、自ら望んで側室になるなどと言う展開はどうだろうか?

 これであれば、あの時の子かという一種の伏線につかえるし、自らを無理に側室にはせず、優しく、美味しいものをくれた殿の事が記憶に残り、それがやがて恋心に成ったという展開が描ける。


 因みに、於大の方の子供が少ないことを指摘された家康は

「瀬名気にするな。二人で十分じゃ」

 と言うが、どうかんがえても十分な訳が無いです。時代背景を考えてみてください。この家康は現代からの転生者かなにかか?


 家康が側室を嫌がっているというキャラクター造形にするなら

 どうせなら側室を設ける事は、瀬名が進言すべきだったでしょう。

 史実的には確か、自らの出自などの立場から築山に住んでいたとかだったと思うんですが、家を絶やさない為に、側室を迎え入れ、子供をたくさん産む事を進言する。

 家を絶やさないというのは、当時に基本的な考え方だと思うのですが、それに併せ、その地を納めるしっかりとした武家が無ければ、民の安寧は無い。とそういう思考を瀬名が行い。その為に家康に側室を設け子供を作る事を実行させるという流れが良かったでしょう。

 嫌がる家康に、私の事を愛しているなら側室を迎え、子を作ってくれと頼む事も出来ましたし、例え身体で繋がっていなくても、心の奥、その一番中心に私の事を置いていてくれるなら十分だと言うように表現する事もできたでしょう。

 そのように瀬名が、家康の事と国の事を思うキャラクターとして描かれていれば

 死んだ後も家康は瀬名の思いと共に歩んでいくという展開が出来た筈です。

 沢山側室を抱えても、一番思っているのは亡き瀬名であるという表現も出来た筈です。

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