アンラッキーな宇宙人

四葉翠

第1話 別に来たい訳じゃなかった


『ここはどこの惑星なのだ……』


宇宙船が壊れ不時着した生物は知識を持ち社会を形成している原生物と思わしき者達を見ながら携帯してるシステムで場所を割り出す。


『何!?通りで知性が低い訳だ、早く帰らねば』


システムに表示されたのは最下級惑星 青の星地球と言うもの。7つの超隕石に襲われ宇宙船が破壊され、緊急離脱としてのワープを超えるとこの星へと落ちていた。


『これはこの星で我が星まで帰ることは不可能だろう…、はぁなんでこんな最下級惑星なんぞに飛ばされるのだ……』


それでも着いた事はもう仕方がない。諦めて当たりを散策する。


『予想はしていたが……そうか……これが最下級……後で皆にも話して置くべき事だな』


システムを使い宇宙船を直す材料が有るかどうかを探し出す。この星程度の小さな惑星ならとても余裕を持って全て調べる事が出来るが……システムに表示されたのは該当無しの文字、ただ1つ。今まで最下級の惑星に降りてくる事は一切なかったが、大体の惑星ではすぐ使用出来るものはなくともこちらが加工すれば使える原材料はある事が多かった。しかし、どうやらこの惑星にはそんな物もないようだ。


『はぁ、超隕石、最下級惑星、該当無し、幾つも惑星経由が確定……やはり7つと言うのは不幸を示すと言う説は間違っていないな』


その生物はまず自分の惑星に通信を送り惑星間の距離をしろうとした。いつものならすぐに帰ってくる通信が5分ほど待っても帰ってこない事にその生物は嫌な予感がしていた。その考えはすぐに正しい事が証明される。


『そんなに離れているのか!?』


通信から万全の状態でも5年はかかると推測される。その生物が乗っていた宇宙船は全宇宙の真ん中に位置している最上級惑星が創り出した最新鋭のもの。そしてその惑星はその生物の産まれた惑星でもある。


『宇宙の端の惑星か!なんて事だ!』


そこからはその生物にとって最悪の日々だった。まず、宇宙船の修理に使える材料を創り出す事から始めなければならなかった、知性が低いこの星の原生物達にイライラとしない日はなかった。


そしてある事実を知って尚更その生物は自らの惑星へと帰りたいと言う気持ちが大きくなった。


『7が幸運だと!?早く次の惑星まで耐えられればいい!早く!』


全身に寒気を感じ簡易的に修理し、逃げるように惑星を離れる。


後日、その生物は地球を振り返りこう語る。


『なんの得も感じない惑星のうえに住んでいる知能の低い原生物、そして7を幸運と呼ぶ災いのような惑星』


さらに付け加えるなら、絶対に付近に寄るな、もしくは消してしまおうなどと話して居たという。

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アンラッキーな宇宙人 四葉翠 @YotsubaMidori

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