異能力の代償として不眠症を患い、眠れないことで常にストレスを抱えて周囲にキツく当たってしまう氷室文那。「氷の女王」なんて呼ばれる彼女が、とある男子生徒の歌声で快眠!? どうしても彼の声を常時手に入れたくなった文那は、その聡明な頭脳で最適解を導き出した!
「彼に自分を好きになってもらって、常に一緒に居てもらえばいい!」
さすが文那様! 賢い!!!!(スタンディングオベーション)
作者様の代表作でもある『明け星学園』を拝読していた一読者として、本編でチラッと名前が出て来た放送委員会の彼のお話と聞いて飛んできました。まさかこんなピュアピュアで甘酸っぱい恋愛をしていたなんて……けしからん、もっとやって!!←
そしてヒロインである文那のお嬢様言葉や少し世間知らずなところ、プライドが高いところ、etc……とにかく魅力がたくさんあります。氷の女王と呼ばれて友人もできなかった彼女が踏み出す初々しい恋の一歩全てが可愛らしい。時に浮かれ、時に傷つき。何て応援したくなるヒロインなのでしょう……。
そして本作は「賢いヒロイン中編コンテスト」参加作品ということで、所属する組織の書物を脳内で網羅できるという異能力を持つ文那の際立った賢さも魅力的。でも、知識は理解しただけではただの知識。きちんと使えてこそ本物の賢さ!文那が書物から得た知識を使って奮闘する様子もお楽しみいただけます。そう、全ては彼を惚れさせるため!!
がんばるヒロインは可愛いのです。そんな彼女と一緒に、優しい先輩と恋をしてみませんか?
所属している組織の蔵書内容を頭の中に入れてしまう事の出来てしまう異能力の氷室文那は、その能力の代償として、不眠症に悩まされていた。
それ故に苛立ち、人付き合いも上手くいかない彼女は、ある日偶然出会った音宮鳴子の歌声で、気がついたら眠ってしまう。
彼の異能力であり、自分の不眠症を緩和する事の出来るその歌声を、どうにかして手に入れたい、と考えた文那は、なんと彼を惚れさせるという作戦を立ててしまう。
文章はとても読みやすく、可愛くてコミカルな雰囲気で、気がつくとするすると読めてしまいます。
主人公の文那ちゃんは最初は怖そうな雰囲気を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はこうと決めたら真っ直ぐに駆けていってしまうような可愛らしい子です。
そんな文那ちゃんが惚れさせようとする鳴子くんも穏やかで優しく、彼女の暴走ぶりをやんわりとさせてしまう所があって素敵です。
とにかく可愛い二人のラブコメ、とっても癒されるのでぜひ読んでみて下さい!