アンラッキーセブン

アンラッキーセブン

　あんたは七の日に事を起こすといい。

　きっとうまくいくよ。

　占い師の職に就いた友人からの助言を信じて、七の日に結婚相談所で紹介された男性と会いまくった。

　が。

　ものの見事に玉砕。

　ひどい時には一目見てごめんなさいと背を向けられた。

　友人に文句を言おうにも連絡は取れず、家に足を向ければ修行の旅に出ますとの紙切れが扉に貼られていて消息不明。

　もう七の日になんか拘らないでやってやる。

　そう決意したのも束の間。

　結婚相談所から外見が超好みの男性を紹介された。

　先方からは、会うのは七の日がいいとも付け加えられて。

　七の日はだめなんです。

　粘りに粘ったが、七の日でなければだめだと言われてしまった。

　縁がなかったんだよそうだよ諦めようこの写真だって加工でいや結婚相談所だから加工はできないいやいや結婚相談所も結託していやいやいや。

「初めまして。よろしくお願いします」

「初めまして。よろしくお願いします」

　結局、返事をして待ち合わせ場所である喫茶店に来てしまった。

　しょうがないじゃないだって好みなんだもの。

　この青白い肌。

　ひょろっこい身体。

　死んだ魚の眼。

　母性愛をくすぐるぎこちない笑み。

　初対面なのにグラスを取ろうとした手を両の手で強く握りしめる強引さ。は。正直嫌だ。初対面で、しかも勝手に身体に触れるなんて、はいさよなら案件だ。

　でも外見は好み。

　やめて。

　あなたこそが僕の探し求めていた相手なんて弱弱しい声で言わないで。

　僕の姫様を連れ戻してくれる勇者だなんてそんな大げさ、な。

　ん？

　僕の姫様を。

　連れ戻す。

　勇者。

「いえ、私は一般市民の両親の間に生まれた一般「さあ参りましょう！魔王に囚われた姫様を救出しに！」「いえちょ待ってって待てってば！！！」

　話を聞かない所もさよなら案件だよおい。

　ちょ、結婚相談所の人も頑張ってくださいって見送らないでよ！

　もう！

　こうなったら頼れる所を存分に見せて略奪愛を狙ってやる！