9もラッキーナンバーとなる
前回のエッセイを読み返していると、あることに私は気付いてしまった。それは4と共に縁起が悪い数字とされている9の良いところを、全く書いていなかったということだ。前回に私は「4は『幸せ』のイメージもある」と書いた。だが同じく悪いイメージを持つ9の魅力は、一切書いていない。私が最後に九九の「7×7=49」について「良い数字を良い数字でかけると、縁起が悪いとされる数字が二つ出てしまうのだ」と語り、結局9だけ悪い数字のままでエッセイは終わってしまったのである。そういうわけで、今回は9に関する話をする。
数年前、とある方へ私は手紙を書いた。その方が体調不良だと知り、私は「お大事に」というメッセージを伝えたくなった。しかし、私は手紙を書く際に悩んでしまったのである。それは私がその方に書く手紙が、ちょうど9通目となってしまうということだ。9といえば「く」という読み方から「苦しい」のイメージを持つ。「し」という読み方で「死」を連想させる4と同様、避けられることが多い数字だ。
私は頭を抱えた。早く元気になって欲しい方に9通目の手紙を出すことは、縁起が悪いのではないか。しかし、いつ何がどうなるか分からないので手紙を書きたい。いや私が余計なことをして、その方の体調が悪化してしまうのは絶対に嫌だ。うーん……。頭の中をぐるぐるさせた結果、私は「9の良さ」を調べることにした。すると、それはすんなり見つかった。
私が見つけたのは「
9にもメリットがあった。それを知った私は、すぐにレターセットを取り出し、手紙を書くことにした。そして私は字が埋まった便箋の隅に「馬九行久」と書いたのである。
私が手紙を出した数ヶ月後、その方は体調が良くなったので安心した。本当に素晴らしい方なので、これからも元気でいていただきたい。
その後も9について、他に良い部分があるかどうか調べてみた。すると、自分が想像していたよりも9の良さが見つかった。これこそ正に余計なお世話であったのかもしれない。私が心配しなくても、既に9は良い数字だった。
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