7もアンラッキーナンバーとなる

卯野ましろ

7もアンラッキーナンバーとなる

 この世にラッキー7ならぬアンラッキー7が存在すると知ったときは驚いた。「7は良い数字だ」と考えられてばかりだが、そうとも限らないのである。

 あれは小学生時代のことだったろうか。親戚が新車を買ったので「ナンバーは何にするのだろう」と、私の家族は盛り上がっていた。その中で「777は絶対にダメだね。大当たりだから縁起が悪い」という言葉が私は気になった。

 大当たりだからダメ?

 その言葉の意味が、よく分からなかった当時の私。しかし今なら分かる。当たり……それは車が何かに当たる、つまり交通事故を連想させるということであった。しかも大が頭に付くので、より恐ろしいものだ。

 あのころの私は「777を車のナンバーにしてはならない」理由を知らなかったが、良い数字だと考えられている7が縁起の悪い数字になるのには驚いていた。ちなみに私は、悪い数字だと考えられている4が「し」と読むことから「し」から始まる「幸せ」のイメージもあると聞いたときも同じ反応をした。絶対に良い数字も、絶対に悪い数字も存在しないのだ。それでも結局、縁起を気にするのが私だ。

 車のナンバーは大人が悩むことだが、幼いころに7が苦手になってしまった人も結構いるだろう。7を嫌う主なきっかけ、それは九九の「七の段」だ。七の段に苦戦した人は多いと聞いたことがある。私も七の段が難しくて困っていたので、それを知った瞬間ホッとした。

 何せ、7は言いづらい数字だ。0から9の数字の中で最も言いにくいものは、7だと思う。私は「なな」も「しち」も、言うのが苦手だ。例えば「なな」を「なぁ」と発音してしまう。自分の滑舌が決して良くないのも原因かもしれないが、とにかく私は7をなかなか上手に言えない。

 最後になるが、さっき九九で気付いたことがある。

 7×7=49

 良い数字を良い数字でかけると、縁起が悪いとされる数字が二つ出てしまうのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

7もアンラッキーナンバーとなる 卯野ましろ @unm46

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ