昼
なんとか午前中の講義が終わり、昼食を食べに行こうと友人に誘われる。
食堂に行ってうどんを頼む。ここの食堂のうどんは安くて、上手いし、量もそこそこあるので、人気の学食だ。
テーブルにいつも置いてある七味を振りかけた。2、3回だけ振ろうと思ったら、何故か中身が大量に投入されてしまった。
真っ赤になったうどんに、はぁと溜息をつく。辛いものはあまり好きではないが食べないと勿体ないので、諦めて割り箸を割った。
「今日、本当についてないわ」
「占いって結構当たるもんなんだねぇ」
「そうなんだけどさ、ホット缶コーヒーって、今、夏場よ?ありえなくない?」
「てかさ、その占いどの番組でやってたん?そんなに当たるなら私も見てみたいわ」
ズルズルとうどんを啜って、辛みと戦いながら、占いをやっていたニュース番組のタイトルを思い出す。少しむせるが大丈夫、まだ食える範囲だ。
「えっと、ほら、今人気のアナウンサーがやってる。そうそうアンタが好きって言ってたあのアナウンサーの番組!」
「は?12位、アンタの星座じゃなかったけど?違う番組じゃない?」
「え?」
そう言われると、確かにそうかもしれない。この友人が、あの番組を見逃すことはしないから。
「そこの占いだったら、アンタの星座は確か、えっと、7位だったよ?」
「えー?マジで?じゃあ、どこの占いだったんだろ?」
もぐもぐと、丼ぶりの中に入っている、なんかよくわからない緑の野菜を口に入れる。
「まぁ、思い出したら、教えて」
「りょ」
うどんを食べ終えると、「よくアンタ食えたね」と、慰めだか呆れ何だかよくわからない言葉を掛けられた。
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