碇頭ユウマ 館貌リョウ 小吾裡サクヤ 

 世の中多様性だと、ボクは思う。

 たとえば、ていがしらユウマくんは、よくアンチの人達から「頭がおかしい」だとか「キャラ作り過ぎ」だとか言われてたりする。なんて狭い考えなんだろう。

 ボクも他の人達から「イカれてる」みたいに言われることがある。ぶりっ子、とか女のくせに「ボク」だなんて男の目を狙い過ぎ、みたいに。

 別に良いじゃん。

 だってボクはボクが好きだし、ボクとして自由に生きていきたい。ボクは不幸ではないけれど、でも彼らアンラッキーヘブンには共感するんだ。

 やかたぼうリョウさんもそう。幼い頃に顔を大火傷して、その見た目のせいで、差別されてたみたい。それを隠すために顔全体にタトゥーを入れたらまた差別。とてもクールでセクシーなのに。

 しょうあがサクヤくんなんて、他人が怖すぎてずっと部屋に閉じこもってるそうだ。だから彼だけはミクステッドリアリティとして、アバターの姿で活動している。その麗しいキャラクターから発せられる声は意外にも低くて安心する。彼にだったら抱かれても良い。

 でも結局、ボクたちを否定しようとする人達は後を絶たない。社会ってやつはボクたちの個性を否定する為にある存在だと思う。

 だからアンラッキー7はボクの同志だ。

 次のライブのチケットも買ったし、これから碇頭ユウマくんに会いに行く。そう、ボクは彼らと繋がってるオトモダチなのである。

 世間からイカれ野郎と呼ばれるユウマくんは実際とても常識的だし、ボクに対して、とっても優しい。否定され続けてきたボクを慰めてくれるのは、同じく否定され続けて来たヒトだけなのだ。

 あ、LINEの通知。ってうわ。このヒトか。なんでボク、不細工ばっかに好かれるんだろ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る