猫と杓子ってなに?

「どうしたの、藪からスティック突き出して」

「猫と杓子のやつ、あれ、意味調べたけどどうも納得いかない」

「それって「猫も杓子も」ってことわざ?」

「それそれ、それよ。由来は何説かあるって書いてたけどさ、なんにも納得できなかったわけよ!意味わかんない!」

「それこそなんでよ」

「なんで猫も杓子もって言葉が別の由来から来ているかもしれないって思っちゃうのか、だよ!」

「......わっつ?なに?どした、ついに耄碌したか」

「もうろく?もずくならわかるけど」

「なんでもない、続けて」

「猫と杓子が目に入ったからかもってなんで誰も考えられないんだろうなって」

「......考えたこともなかったわ」

「でしょ!?なんで誰も、だーれも考えないのかって話よ!目についたのが猫と杓子だったかもしれないじゃないか!なんでそこに意味を見いだそうとしたり、説を立てたりするんだってこと!」

「あぁ......まぁ、売り言葉に買い言葉的なサムシング?があったかもしれないってことね?」

「もしくはただの言葉遊びだったかもしれないじゃないか。なんでそこに見出そうとしたんだろうってわけよ」

「盲点だったわ、人類のほうが深読み説」

「でしょ?あるでしょ普通に。当たり前すぎてみんな素通りしてんの」

「なんでそう考えれんのよ」

「ただただ疑問に思っただけだけど?なんで?って思った、それだけ」







 ねぇ、話聞いてる?

「......あぁ、うん」

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