2021/11/10 『薄情』

珈琲の豆がなくなった。買いに行こうと思い立って、歩いて、一駅先まで向かった。道中には先日踏み潰した紅葉が、カラカラになって地面にへばりついていた。木は、呆けているように見えた。

 もう少し、見てやればよかった。


 そんな思いも、不思議と日記を書くまで忘れていた。

 買った豆で珈琲を淹れ、啜って、旨い、などと言っていた。珈琲のいい香りは、あまり覚えていない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る