第5話
「まずはその能力を試してみろ」
アシェルに言われて能力を試してみる事にした。俺は近くに生えていた木を『
【アルシースの木】
アルメシアに生える一般的な木。固く丈夫な為家具などによく使われる。
見の前にゲームみたいな半透明のウィンドウが現れた。手で触ろうとしてもすり抜けて触ることができない。
「アシェルこれが見えるか?」
見の前のウィンドウを指差し尋ねるが、アシェルは首を横に振った。
どうやらこのウィンドウが見えるのは俺だけのようだ。アシェル一人にしか試してないが自分の能力だしほぼほぼ確実だろう。
それにしても、俺の能力で表示されるのってこれだけなのか?あまりに情報が少ないように思えるが。
試しにアシェルにも使ってみるか。
能力を使うためにアシェルを見つめる。アシェルは突然じっと見つめられたせいか、少し頬を赤らめながら目を逸した。
「そんなに見つめられると流石に恥ずかしいのだが……」
アシェルが何か言っているが『
【神】
神の少女。神には2つの能力があり、1つ目は全言語理解、2つ目は神力である。全言語理解は言語を使うあらゆる種族の言語を理解し、使いこなす能力。
神力は自分に向けられた信仰を力に変えて行使する能力で、あらゆる種族から信仰を得るために全言語理解があり、できるだけ多くの信仰を得るため、決まった名を持たない。
アシェルの情報を見ることが出来た。ただ、木を見たときとは情報量が違う。木の情報が元からあの程度なのか、それとも何かの条件を満たしたからアシェルの情報が多くなったのか。
検証しなければならないことが増えたが、能力の使い方は大体わかった。
後は能力をできるだけ早く発動出来るようにならないとな。今の速度だと気軽に使いにくいし。
「どうだった能力は」
「『
「何を見たのだ?」
アシェルに聞かれたので俺が見たものとその情報について教えた。アシェルは少し考え込むと
「おそらくだが、善斗の能力はどんなもの情報でも見れる代わりに一つ一つの情報量が減っているのかもしれぬな」
「それってどういうことなんだ?」
「能力の強さは保持している星力によって変わるからの。その星力以上の能力は使えないのだ」
「なるほど、俺の『
「おそらくだがな」
アシェルのおかげで情報量が少ない事については分かったが、それでは何故アシェルを見たときの情報量が多かったのだろうか。
集中しないといけないとはいえ、どんな物でもその情報を見れることはすごく強いが、木を見たときみたいな情報量だと正直あまり意味が無いよな。
「能力の強さは一生そのままなのか?」
「さっきも言ったが能力は星力の量で強さが変わるからな、善斗が星力を増やせば自然と能力も強くなる。それに能力は使って慣れればより効果が増していくのだ」
能力がちゃんと成長することが分かったホッとした。
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