第3話
「それは本当ですか!でも、俺には無理ですね...。星力が何かはわかりませんが、神なんているわけないし」
「何を言っておる。我がいるだろうが。我がお主を手伝ってやる」
手伝ってくれる事は嬉しいが、話の流れがいまいちわからない。少女が手伝ってくれても、今の話だと大量に星力とやらをを集めた神じゃないといけないからだ。
「手伝ってくれるのは嬉しいですが、神についてはどうするんですか?」
少女は少し悩んだ様子を見せて、何かに合点がいったようで話始めた。
「そういえば、自己紹介がまだであったな。我こそが神だ!」
少女は得意げに言っているが、自己紹介とは言えないほど内容が薄い。まず、名前を名乗らない自己紹介なんて無いだろ。
ただそのおかげで俺も自己紹介をしてないことを思い出した。
「俺の名前は
「そうか、我は久方ぶりに人と話すものでな。説明不足であったか...」
少女は何を話すかを悩んでいるようで、うんうん唸ったあと話を続けた。
「お主は天落人で何も知らぬようだから、説明してやろう。まず、お主の世界ではどうだったかは知らぬがこの世界では神はいる。我みたいにな。それに神には一目で神だと見抜ける特徴があってな、それが虹色に輝く瞳だ。それと、名前を名乗らなかった理由だがな、神には名前が無いのだ。人間達が呼んでいる名前は勝手に広がったものだ。だから善斗、お主も我を好きに呼ぶといい」
好きに呼ぶといいと言われてもそう簡単に思いつかない。仕方ないか、ここは俺の黒歴史から取ってくるしかないな
「そうだな~、虹色の瞳だからアルカンシェル。それだと長いから短くして、アシェルなんてどうですか?ちなみに、アルカンシェルは俺の世界の言葉で虹を意味します」
「アシェルか...気に入った。これから我のことをアシェルと呼ぶが良い。それと善斗、いい加減その話し方はやめろ。我らはこれから共に行動することになるんだぞ」
確かに、共に行動するのに敬語じゃ距離ができるだけか。
「わかり...わかったよアシェル」
俺が敬語を辞めるとアシェルは満足気に頷いた。
「じゃあ、あとは星力を集めればいいんだな」
「そうだが星力を集めるのは簡単ではないぞ。いくつか方法は有るが一番簡単なのは魔物を狩ることだな」
おお!やっぱり魔物がいるのか。最初はビビってたが魔物がいると聞くと少しわくわくしてくる。ファンタジーお馴染みのスライムやゴブリンとかだろうか。
「ちなみに、魔物を狩ってどうやって星力を集めるんだ?」
「魔物は、この世界に他の世界の欠片が落ちてきたときに発生する星力の影響を受けて、動植物が変異したものでな。どの魔物も必ず星力を貯めておく星石があるのだ。それを集める」
ファンタジー小説によく出てくる魔石みたいなものか。星力を集める方法はこれでわかった。後は実践するのみ!
「じゃあ早速魔物を狩りに行こう!」
意気揚々と出発しようとしたが、襟を引っ張られて止められた。
「どうやって魔物を倒すつもりだ」
そこまで考えてなかった。
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