第九話 知らないこと

私は収録の帰りのタクシーの中で今日の事を振り返っていた


あの活動休止報告に書いてあったこと以外の事聞けるとおもっていたのにアリス先輩からきけたこは何も知らないしわからない 一番来栖 藍に近い人物だったのに...それに姿を消したってなに?神隠しでもあるまいし


「はああああ」

くそでか溜息がでてまうわ

「どうしたの?今日の収録つかれちゃった?」


隣でパソコンをカタカタしているマネの立川さんが心配そうに話しかけてきた

「いやあ、念願の一期生に会えたのに藍ちゃんの事なんもきけなかったなあって」


「ほんとに藍さん一筋ね、尊敬します。そこまで一人の人間を好きになれるなんて」


「私も藍ちゃんが初めてですよ、ここまで好きになれたのは」


「そうですか。でもこれ以上事務所のライバーに聞き込みしても何も情報なんてでてこないわ?」

「え?なんでですか?休止したあとも連絡とってたりなにかしら接点を持っている人がいるかもしれないですか」

「あそこまで仲の良かったアリスさえ連絡がとれてないのよ?普通に考えてスパークルの関係者とは連絡とるつもりはないんじゃない?」

「たしかに...」


スパークルに関しては立川さんのほうがくわしいたしかにアリス先輩すら連絡がとれてないならほかの一期生も連絡がとれてないと思うのが普通よね


「でもわたしは藍ちゃんに会いたいんです、あってお礼を言いたい、ただそれだけなんです.....」


「復帰すれば会えるわよ」


「そうですね」


復帰すれば...ね


そのあとも少しはなしをしていたら私のマンションについた


「今日は立川さん一日付きっ切りでありがとうございました!おかげでどうにかやりきれました」


「いいのよこれが私の仕事だしね?じゃ私はここから電車で帰るから今日は配信しないでゆっくり休むのよ?いい?」


「何回それいうんですかわかってますよ休みますよ」


「ならいいのよまたね」


「はいまた」

立川さんは私がマンションのエントランスに入るのまで手をふってくれた


「わあ!」


「涼風さん!?びっくりしたああいきなり大きな声だすとびびりますよおお」


「ごめんね今からバイトでエントランスまで出たらなんか考えてそうな顔してたからついwお出かけしてたの?」


ついってまあ美人だしいいかうんかわいいしああ語彙力しにそ


「はいまあそんな所です。ちょうどタクシーで送ってもらった所で.」


「そうなんだ外から君の事見てる人は知り合い?」


「あ、はい、私のバイトの先輩です!!」


マネージャーですっていうわけにもいかず嘘をついてしまったバイトなんかしたことないのに:


「そっか...なるほどね時間とらせてごめんね?またねー」


「はいまた」


そういうと涼風さんは外に出て行った立川さんの横を通りすぎてバイトさきのコンビニに向かった

「気のせいかな、今立川さん涼風さんに会釈してるようにみえたな」


まあいいや!帰って寝よっと



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