第7話 可愛い後輩ちゃん

 熱を出し学校を休んだ次の日学校へ行くといろんな人達から心配をしてもらい嬉しくあり少し照れてしまった。だが自分は1人じゃないんだと改めて実感した日だった。


 そういえば言っていなかったが実は俺読書部に所属している。部員は今は後輩と俺の2人と少ないがまあ楽しくやれているので実は楽しみだったりする。


 授業を終えて放課後になり部活に行く準備をする。


「怜斗帰ろ!」


そう声をかけてくれた茜に軽く謝りこれから部活なんだと断る。茜とも話したいと思うが茜ならいつでもいけるだろと思いたまにしか会わない後輩がいる部室えと向かう。


「先輩!」


 部室に入ると先に待っていた後輩が声をかけてこちらへパタパタとかけつける。そんな仕草がなんと可愛らしいことか。つい撫でたくなってしまう。

だが理性を保ち撫でるのをやめる。撫でた日には犯罪者と言われ警察に突き出されるだろう。


「ちょっと遅かったか?」

「いえ!ソラが早いだけなので!」


 そう言ってくれるこんな可愛い後輩は三谷 空(みたに そら)と言う小柄で小動物みたいな感じだ。

今では結構懐いてくれているが入部してすぐの頃は警戒心剥き出しの少し怖い感じだったのだが今では懐いた犬みたいなことになっている。


「先輩今日は帰り1人ですか?」

「そうだよ」

「じゃあ一緒帰りませんか?」


 不安気にそんな事を聞いてくるがこんな可愛い後輩の誘いを断るなんて事はもちろん無理であるそのため二つ返事でいいよと答える。そう答えると花が咲いたような綺麗な笑顔を浮かべる。そんな表情にドキッとしてしまう。


 その後は雑談などして2人の時間を楽しんでいると気付いたら18時前になっていた。


「そろそろ帰るか」

「はい!」


 そう言って校門をでる。


「危ない!」

「きゃっ!」


 校門を少し歩いていると三谷が車にぶつかりそうになったのを急いで手を引く。


「大丈夫か?」

「大丈夫ですけど先輩これは」


 気がつくと俺は三谷と抱き合っているように密着していてそれに気づき急いで離そうとするが三谷はまだ『もう少しこうしていていいですか?』と聞いてきた。

 断るのも気が引けたので頷いてしまう。それからどれくらいの時間がたっただろうかおそらく2分とかだろうが体感では1時間を余裕で超えそうな感じだしかも女子と密着などしないためうるさい心臓の音を聞かれていないか心配だった。


それから少しして三谷は離れて『帰りましょうか』

と言って歩き出す。三谷を追いかけるように早足で向かい隣までくると三谷の顔は夕陽のせいなのかさっきの密着のせいなのか分からないが赤みがかっていた後者なら少しいや結構嬉しいかもしれない。

 そのあとは特に会話もなく家に着いてしまった。


「ま、またな」

「は、はい!」


 お互いぎこちない挨拶になってしまった。


その後ベットでもう少し話せば良かったと思う2人であった。







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