おまけep196 周りに癖の強い女しかいない香織 

「萌〜、そろそろ帰るよー?」

「はぁい、わかった。ちょい待ってね。」


 夕方からぎゃいぎゃいと4人で騒いでいた。そろそろ体力の限界が来た香織が時計を見ると、22時を回っていた。近所に住んでいるわけでもないので、萌に帰宅を促す。


「ねぇ、お姉ちゃん。今年に入ってまだ1回も2人で遊んでないよ?いつにするか今決めて?」

「え〜、急に言われても…。あとで連絡するよ。」

「もぉー。土曜日はみちるさん仕事でお姉ちゃんは休みでしょ?空いてる土曜日なんだから今決められるじゃん!」

「んー、寒いし眠いし…。それに1人だからやらなきゃいけないことをやったり、結構用事があるんだよなぁ。」


 実は、実家にいる末の妹にも同じように、2人で遊ぶ日を作れとせがまれている妙。嬉しいのだけど、のんびりする日も欲しいのだ。辟易した妙の顔を見て、恋女房みちるはすべてを悟った。今助けるわ、あなた!みちるイリュージョンよ!


「萌ちゃん。今、妙ちゃんは部署が変わってから、結構忙しそうなのよ。仕方ないわよね、売れっ子漫画家の担当になってからというもの、昇格もしたし責任のある仕事をしているの、素敵。やっぱり結婚して嫁が運気をあげることがあるっていうのは本当みたい。私が謝るわ。もうすぐ決算期だし、少し待っていてあげてね?」


 どうだ。これぞ、妻の余裕。大人の女のセリフ!みちるは胸だけじゃないのよ!運気を上げる女神なのよ!&巨乳。


「マウントきたぁー。じゃあ、もう帰るけど!連絡してね!お姉ちゃん!」


「わかったわかった。気をつけて帰りなね。」


 こうして、次のデートが決まらないまま、不満な顔をして萌は香織に連れられて帰っていくのだった。


「萌〜、あんまり無理言わないでさ、妙ちゃんの都合も考えてあげなよ?」


「わかってるって。ちょっとさ、ノリでついね!わがまま言いたくなっちゃうのよ♡」


「妙ちゃんはみちるさんのわがままで許容範囲いっぱいだろうからさ。萌は私にだけわがまま言えば?」


「あら?そんなこと言って~。今よりわがまま言っても良いの?♡」


「別に良いよ。それは私の担当だと思うし。」


 この瞬間。萌の脳内に異変が起きた。萌のバカ!シスコン!かわいこちゃん!香織はヤキモチを妬いているのよ!気づきなさい!!・・・とみちるの声が聞こえたような気がしたんだ。しまった、また余計な不安を感じさせてしまった。いや、今ならまだ巻き返せる!私のかわいいを今、全解放すればっ!!*嫌いにならないであげてください。


「じゃあ、、今日はたくさん甘えてわがまま言っても良い?」*ただの小悪魔


「うん。いいよ。。」やや暗めに


「今日は振り回してごめんね?香織が優しいからついなんでも許してくれるって思っちゃう。気をつける。」


「うん。別に良いよ。」感情の読めない感じで


「帰ったらべったりくっついてもいい?」


「うん。まぁ、いいよ?」ちょっと軽い感じに・・・


「香織も甘えてくれる??」


「うん、いいよ?」はい、チョロい。


(よっしゃ。危なかったぜ。。)*フラれてしまえ

「じゃあ、今キスしてくれる?」


「うーん、まぁ、いいよ♩」*お疲れ様でした


 私、顔は良いしスタイルも良いけど・・・調子に乗っちゃうの。性格が短所なの。ツンデレだしヤンデレだしシスコンだし重いの。だけど香織、、お願いだから捨てないでね。一生離れてなんてあげないから。。フフフ・・・


 続く。

 

 

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