おまけep187 笹の葉たべてるぅぅぅ♡♡♡

「たっだいま〜。みちるー!みてぃるー!」

「はーい、かわいい呼び声は誰ですかー?♡妙ちゃんでしゅかー♡」


 平日の夜は大抵、みちるの方が先に帰ってるんだ♡

 晩ごはんを作りながら、愛するパンダのような可愛らしい恋人を待つの。

 妙ちゃんはね、色白で黒髪なの。伸ばしていた髪を最近ばっさり切って、ますますパンダっぽくなったわ♡

 ぽっちゃりしているわけじゃないの。細身な方だと思う。だけどほっぺただけは、ぷにぷになの。

 赤ちゃんみたいに甘えた声で、みちるーって呼ばれると、たまらなく愛しいの。ああ、産んで良かった。ママのところに生まれてきてくれてありがとうって思っちゃう♡*妄想です。


 ほんっとに、かわいいね、妙ちゃ、、


「いえ。私はただの、イケメンなBLの主役です…。」ズーン。

「えっ?わっ、陰りがすごい♡どうしたの?やさぐれててかわいいよ?♡」

「なんでもかわいいって言うのはみちるだけだよ…。人間は外面しかみてないんだ…。勝手な好みを押しつけてくるんだっ!」

「これは…察するに…みちるの武器、包容力をご所望ですか!?」

  

 みちるは両手を広げて武器をだした。Fという名の2つの武器を…。


「ありがとう…。冬眠しやすそうだ…。」

「温めて、置きましたゆえ…。」サ、ドウゾ。


 むにゅっと癒やしの指定席におさまると、やさぐれている理由を話しだした。


「もごごご、もごっごふごごもも、」


「会社で?髪の毛を切ったから?」*理解できている超人みちる。


「ぷはっ、苦しかった!低反発みちるに癒やされた!」


「では…続きは膝枕にて♡」


「いいんですか…?贅沢の極みじゃないですか!ステーキとすき焼きのハシゴじゃないですか!!」


「妻たるもの、持てる武器は全て使ってもてなします…。」


「みちる・・・ごめんね、仕事の愚痴を家庭に持ってきてはいけないね。せっかく、みちると二人でいる時間なのに、。もう大丈夫、楽しい話をしよう。」


「いいえ。みちるは妙ちゃんの笑顔にだけ癒やされるような素人ではございません。喜怒哀楽を表現する全ての妙ちゃんに萌えることができる、究極体なのです・・・。」


「みちる、、え、どゆこと?」


「弱ってる妙ちゃんもかわいいということです。もっと頼って。」


 妙ちゃん、、みちるね、赤ちゃんがわんこを怖がって、泣きながらママに抱っこを求めてくる動画を見たの。私が求めているのは、この感じの妙ちゃんだ!って気づいちゃったの。。まぁ、言わないけど。今まさに、みちるの願望が叶う。っしゃ!


「みちる、、ありがとう。苦楽を共にってことだね?わかった、話すよ。ただ、そんなに深刻な話じゃないから言い出しにくくなってるけど。。」


 妙は話すことにした。みちるに、、愛する妻に、、会社での酷い扱いについて。(一部の社員にカオルとセットでボーイズラブ萌えされてるだけ。)


 みちるは妙のために環境を整えた。まず、ソファに妙を座らせると、もこもこのタオルケットで包んだ。そして隣に座ると妙の頭を太ももの上に乗せる。そして妙の手には、笹の代わりにリーフパイを持たせた。カワイイ!


 リーフパイをサクサクと食べながら、シュトーレンのようにタオルケットに包まれた妙は、ゆっくりと話し始めた。妹の萌と間違えられないように髪を短くした。すると今度は会社でカオルとカップル妄想されることが過激化した。本気で悩んだ、、もういっそのこと坊主にするべきかと。。


「え、坊主はダメよ。哺乳類のふさふさっとした感じがなくなるわ!3cmは残して?」

「あ、うん。わかった、、坊主にはしないよ。。」

「それにしても、珍しいね?妙ちゃんってキャーキャー言われても虚無でいられると思ってた。」

「何を言われても構わない。ただ、カオルとカップルにされるのが今でもトラウマなんだ。。」

「なるほど、、高校でカオルさんと推しカプ扱いされた記憶が蘇るのね、、可哀想に、、辛かったね、、」


 ごめん、妙ちゃん。みちるも妙とカオルカップルの同人誌、、作者(絹子と八重子)にもらって愛読してる、、。妙ちゃんに見つからないように職場のロッカーにしまってあるの。お昼休みに読んでいるの・・・。


「確かに、、普段はツンツンしている妙ちゃんが、カオルの押しの強さに崩れ落ちていく、、やめろよ!と言いながら、涙目で顔を赤くする妙ちゃん、、そんな二人を妄想したくなる気持ちはわかるわ。でも、妙ちゃんは嫌だもんね?」


「・・・ん?え?」


「職場で二人が仕事の話をしているのを見るだけで、、来た!壁ドンですね!壁ドンなんですね!?ってなる気持ちもわかる。。でも、妙ちゃんは辛いよね。」


「え?・・・うん。真面目に仕事してるのにさ、騒がれてちょっと面倒くさくて。。あと相手がカオルなのがキモい。」


「わかるよ、、妙ちゃん。(会社の女子の気持ちが。)」


「みちる、、ありがとう。ちょっと気持ちが和らいだよ。やっぱり私はみちるといるのが一番安心なんだ。」


 リーフパイを食べ終わると、タオルケットに包まれた妙は、みちるの子守歌を聴きながら、眠りに落ちたのだった。。


「妙ちゃん、、私の中でお眠りなさい。。」



 いや、ご飯食べようよ。


 続く。








 



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