おまけep178 推し活は代謝が上がるからアンチエイジング・ダイエット効果があるよね

「結局、、これは免れないんだね。。」

「もうっ、妙ちゃんも断れば良かったのよ?」


 昼食を取り終えた3人は、お墓参りを済ませると、自宅に戻っていた。そして、前回は宝塚のDVDだったが、今回は韓流アイドルグループのDVDを見せられていた妙。とついでにみちる。


「きゃーぁ!なんてしなやかな筋肉ぅぅぅ!」

 踊りながら男性アイドルグループのDVDを観て、ペンライトを振る麗華。麗華は男性アイドルと女性アイドルの両方にハマっていた。ずらりと並べられたDVD、、


「だって、、こんなに楽しそうなのに断れないよ。。」

「うちのお母さん、幅広すぎないか??私には全部同じ人に見えるよ。。」


 3本目のDVDを流そうとした麗華をなだめると、みちるはモニターを消した。


「はい。もう終わりー。十分堪能しましたし、お母さんがどれほどアイドルに夢中なのかもわかったよ!」


「ああん、、次のグループはお父さんも好きなのに、、まぁいいわよ。はぁー、代謝が上がったわ!ねぇ、みちる。このグループに妙ちゃんを入れたらすごく合うと思うのよ~!」


「・・・た、たしかに。とかいってももう観ないからね!」


 妙がDVDのパッケージを覗き込むと、チアガールのような格好をした7人組のアイドルだった。


「え、、この中に私がいたら似合うと言ったの・・・?」エエ・・・


「ほら、妙ちゃんが青ざめちゃったじゃない。大丈夫よ、妙ちゃん。貴方は私だけのアイドルでいればいいのよ?」


 みちるが両手でハートマークを作って妙に向けた。こうするときは必ず同じポーズをして返さないといけない空気がすでにある妙とみちる。仕方なく、妙もハートを作ってみちるに返す。


「ぎゃーーーーー!!今のっ!今のっ!もう一回やってぇぇぇ!!!」*麗華ご乱心


「ふふ、、かわいいでしょ。私の妙ちゃんよ。お母さんにはやらなくていいわよ、妙ちゃん。」


「は、ははは、、。それにしても、、お父様にまたご挨拶できなかったのは残念です。宜しければ今度、私たちの家にも遊びに来てください。お二人で、、」


「そうね!是非、そうさせていただくわ!大久保に行ってグッズを買いたかったの!それならお父さんも捕縛出来ると思うわ!!」


「ど、どこまでも推しのおっかけは組み込むのですね、、潔くて素晴らしいです。。」


「ところで、、貴方たち、今日も泊まっていかないのよね、、晩ご飯は食べていけるかしら?」


 気づくと時計は17時を回っていた。みちるは妙との夏休みを二人で過ごしたいので日帰りするつもりでいた。


「ごめんね、お母さん。明日も予定があるからもう少ししたら帰るよ。」


「そう。残念ね。貴方たちのイチャイチャする姿をもっと見ていたかった。」


「イチャイチャするところを母親に見せるわけないでしょ。」*キスしているところは何度も盗み見られている。


「まぁ、いいわよ。ところで、帰る前に何かお忘れではなくって?」

 両手をみちるの前に差し出す欲しがり麗華。


「ん?あ、ああ。持ってきてるわよ。これが最後にしてよね!頼むの嫌だから。」


 みちるはうんざりした顔をして、バッグの中から大きな紙袋を出すと、麗華に渡した。


「ありがとぉ~!!オタク仲間に配るわ!私たちがファンになればこの子達も安泰よ!!!」


 袋の中身は、今をときめくカリスマモデル、萌と香織のサイン色紙がずっしりと入っていたのだった。


「ねぇ、今度はつれてきてね?萌ちゃんと香織ちゃん♡私はもちろん、妙ちゃん似の萌推しだけどね!」


「ははは、、ぜ、ぜひ、、次は連れてきます・・・。」


 なんなら、今回連れてくれば良かったと妙は思った。案外、香織が麗華の面倒をみてくれてもう少し過ごしやすかったかもしれない、と。


「あ、良かったら、今電話しますから少し話しますか?」


「えええっ!!た、大変っ!ちょっと待って?推し活仲間を呼ぶから!!スピーカーでお話ししたいっ!!」


「わ、わかりました、、。(ごめん、萌・・・)」



 結局、推し活仲間を呼ぶのに1時間。電話で話すのに1時間。そして、推し活仲間が妙のかわいいを摂取して寿命を延ばすのに1時間かかった。


 どっぷりと夜になり、二人は帰るのを諦めたのだった。



 続く。

  

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