おまけep173 このくらいの面倒くささはみちるのデフォルト

「じゃあね、末。勉強頑張ってね!ばいばい!」


 なんてかわいいんだ、うちの末っ子は。そう思って満面の笑みで電話を切った妙。横にはふてくされて丸くなった嫁がいた。


「どうしたの、みちる?ぜんまいの真似なんかして。」

「え、うそ。これが山菜に見えるの?」

「ちがうの?んー、じゃあ、アンモナイト??」

「妙ちゃん・・・みちるはシスコンの妙ちゃんにほったらかされて拗ねてたんだよ?丸くなって拗ねてかわいいの塊になってたんだよ??」

「あ、そうだったのか。ごめんごめん、おいで?今からみちるに全集中の呼吸になるから!」


 ヨイショ、ヨイショ、コロンコロン・・・。丸まったみちるを両手で転がしながら、自分の元へ近づける妙。嫁サービスとして浴衣の裾をちょっとめくって、生太ももでみちるを膝枕した策士。


「はい、みちるタイムだよ。みちるの好きな生太ももだよ~♡」

「生太ももて・・・。生チョコとか生食パンみたいな言い方ね。確かに最高だけど。すべすべむちむちだけど。スリスリするけど。。」

「で、花梨さんとは上手く話せたの?」

「うん、まぁ。話さなかったより良かったと思う。」

「そっか。良かったね。」

「・・・ヤキモチ妬かないの??」

「え、妬いて良いの?ヤキモチはみちるの特許だと思ってた。」

「何を言っているの、妙ちゃん。ヤキモチは恋人達のスパイスよ。ハーブ岩塩みたいなものよ?ニンニクとオイルとハーブ岩塩があれば大概美味しく焼けるのよ?」

「なるほど。美味しいねそれ。でもそれ途中から鶏肉の話だね??」

「さぁ、みちるを漬け込んで・・・!妬いて頂戴!」

「えっと、、綺麗な人だったね。」

「それヤキモチじゃないじゃない。。どちらかというと他の人を褒めたからみちるがヤキモチなんだけど!」

「・・・(今日は被害が大きいな。。いや、私ならやれる。乗り越えてみせる。)みちるは、、まだあの人に未練あるのかな、、とか。」

「ああ、妙ちゃん。私にはこんなにかわいい奥さんがいるのに、、他の人に未練があるわけないでしょ?心配しちゃったの?」*そうそう、それでいいんだよの顔

「ちょっとね。でも、みちるは誰にも渡さないから。」

「妙ちゃんっ!大丈夫よ!みちるはどこへも行かないわっ!」*安いミュージカル風


 よし、機嫌直ったな、と妙は安堵した。ぶっちゃけ心配してなかったし、末と電話でイチャイチャしてたし。。女の子は火のないところに煙を立てるのが好きだなぁと、決して口にしてはいけない呪文を頭の中で唱えていた。


「そろそろ、晩ご飯だよ。みちるが食べたかった海鮮だよ。せっかく2人だけの旅行だから、他の人の話はもうやめよう?」

「き、きゅん。はい、、貴方だけを見つめます。。」


 機嫌の直ったみちるを連れて、大広間に行くと、豪華な会席料理が用意されていた。


「わぁ、刺身!天ぷら!しゃぶしゃぶ!」

「みちるの好きなものばっかりだね!ビール飲む?」

「飲むっ!♡」

「また露天風呂入るんだから、あまり飲み過ぎないでね?」

「わかった♡」

「明日は早起きしてみちるの実家に行くんだからね?」

「うん♡今日はスナックで歌わない!いただきまーす♡」


 この光景を少し離れたところから見ていた花梨は、、


「すごい。美女2人、、なのに会話は世話焼きおかんと飲んだくれ・・・。」


 と思っていた。



 続く。




 

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