おまけep170 黒歴史とはなかなか消えないから黒歴史なのだ

 ドサッ。

 みちるは旅館に着くなり、持っていた荷物を下に落とした。


「わ、大丈夫?みちる。」

「・・・え。あ、うん♡」


 いくらみちるが年上女房だからと言って、29歳だ。老化現象で荷物を落としたわけではなかった。みちるは目の前にいる、、旅館の受付スタッフを見て驚いて荷物を落としたのだった。。


「花梨ちゃん、、だよね・・・。」

「み、みちるっ!?」


 みちる、心の声。


 ま、まずい。この現象は想像できなかった。。まさか、花梨ちゃんがここで働いているとは、、。

 みちるのヤンデレによってお別れした、、初めての彼女、花梨ちゃん。。なんかもう、いろいろゴメンナサイでしたとしか言いようがない花梨ちゃん。。


 そ、それよりも、、このシチュエーション。。妙ちゃんは鈍感だし闇がないから大丈夫として、、この永遠の美少女である妙ちゃんを見て、花梨ちゃんはどうでるのかしら、、。久々に変な汗が出てきたわ。。と、とりあえず平常心を装わねばならないわね、、。大丈夫。大岡越前と名を馳せた私よ。上手くやれるっ!あああああ、どうしよう!!!


「う、うわぁ!花梨ちゃんだぁ!ひさしぶりぃ!!♡」キュルンみちる発動

「やっぱり、、何も変わらないね。みちる。相変わらず綺麗、、」

「やだっ、花梨ちゃんだって、、変わらずかわいい♡」


 ここからは、みちるだけが心拍数を上げている大人の挨拶をお届けします。


妙「みちるの知り合いだったの?」コンチワ。ペコリ。

みちる「う、うん。そうなの。中学校の同級生なの。ね、花梨ちゃん♡」

花梨「うわ・・・すごい綺麗な人、、もしかしてみちるの、、」

みちる「あ、えっと、うん。そう、、私のおくさ、えっと恋人なの♡」

妙「よろしくお願いします!お世話になります!」

花梨「え、なんなの。芸能人??こんな綺麗な人、初めて見たかも、、」

みちる「あ、あはは。芸能人じゃないけどね。妹さんは芸能人かな。」

花梨「え、あ!もしかして、モデルの!?そっくりな人いるよね!!??」

妙「萌のことですかね。妹です♪」

花梨「うわぁ、、やっぱり。さすが東京にいるとは聞いてたけど、やるね、みちる。」

みちる「あ、ありがとう~♡まさかここで働いてるとは知らなかったぁ♡」

花梨「あ、うん。親戚の経営してる旅館なんだよね。あ、ごめん。ではこれがお部屋のキーです。ごゆっくりどうぞ!」

みちる「ありがとう♡また会えたらお話ししようね♡」


 みちるは笑顔を絶やさなかった。大丈夫、何も悪いことはしていない。。ただ、黒歴史に登場してくる人物と妙を鉢合わせさせたくなかったという自分の問題だけだ。


「かわいい人だったね、みちる。好きだったことあるでしょ?」

「!!!??な、な、なななな、なに?」

「わかるよ。みちるってああいう感じの人好きだもん。」

「う、ううっ、、中学校の時に少しだけね?あーびっくりした。」



 付き合っていたと、言うべきだろうか・・・。否。

 せっかくの旅行。二人だけの濃密な時間のために、必要のないことは話さないわ!


「妙ちゃん、、早く露天風呂に入るわよ!その水を弾く肌でみちるを悩殺して!!」

「さすがにお風呂に入ったら水を弾きはしないけど、、」

「貴重な夏休み!!とことん妙ちゃんを堪能したいの!行くわよ!!」

「はぁい。。」



 続く。

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