おまけep163 社会とズレたこんなカップルになりたい

「ただいまぁ〜。くすん。香織ぃ〜!みちるさんに追い返された〜!」

「だから言ったじゃん。連絡しないで行ったら、いちゃいちゃの邪魔になるよって。」


 結局、妙の連休中に2人で遊ぶ約束はできなかった萌。しかし、家に帰れば愛しのカノジョ様がいるのだ。しかもキッチンで晩御飯の準備をしてくれているところだ。十分じゃないか。。


「だってぇ。仕事帰りに近かったからさ。みちるさんの独占欲やばいよね?そう思わない?」

「いや、みちるさんだけじゃなくてさ。妙ちゃんだって2人きりが良いんだと思うよ?」


 そうなのだ。妙としては、愛する妹との時間は大事だ。だけどそれは、嫁との時間を十分確保した上でなのだ。


「なんでそういうこと言うの〜!」

「ホントのことでしょ。で、約束は取り付けられなかったのね?」

「実家に寄る日は聞いてきた。」

「じゃあ、うちらもそんなに仕事入ってないし、デートの計画立てよ?」

「うん♡萌サービスしてくれるの?」

「香織サービスしてくれるならねー?」


 香織は、ちょうどカットしていたレモンのくし切りを、萌の口の中に突っ込んだ。ポイッ


「!!酸っぱいっ、やめっ!あ〜〜!」

「ほら。いちゃいちゃしたよ?萌ちゃんサービスだよ?♡」

「やだぁ!いくらМだからって、味覚攻めはやめて。。」

「口移しならもっと喜んだのかな…?」

「喜んだと思うよ♡」


 え。え?

 すげぇ、いちゃいちゃするじゃん。。


 ってことで、今日はこの2人の話。ずっといちゃいちゃします。予めご了承ください。


「ご飯できたよ!食べよ?」

「うん♡ありがとう♡」


「ねぇ、香織、ちょっと痩せたんじゃない?」

「あ、うん。0.5キロだけだけど痩せてた。」

「うーん、戻したほうが良いと思うなぁ?香織はあとちょっと顔がふっくらしてたほうがかわいいよ。」

「普通に食べてたんだけどね。萌はやっと少し体重増えた?」

「うん、300グラム増えた。前よりかわいいでしょ?」

「うん。あと200グラムくらい増やしても良さそう。」


 こ、こいつら…。社会の「痩せたくても痩せない」ムーブに反した会話してるな…。


「萌、この間ネットに書かれてた人気俳優との熱愛疑惑はどうなったの?」

「あー、あれ?否定しないでそのままにするって事務所が〜。話題になるし。あ、香織が嫌?」

「ううん。萌が困らないならなんも気になんないよ。口説かれてもないガセでしょ?」

「うん。一緒に雑誌に出て、皆でご飯食べただけ〜。」

「萌が浮気するわけないのはわかってますからね〜。」

「当たり前でしょ。私の一途な重量系の愛は筋金入りよ。」

「あはは。妙ちゃんとはんぶんこで良かった。全部受けてたらぺっちゃんこだね。笑」

「ナニイッテンノ?どっちにも100%ずつぶつけたいのを制御してこれよ。」

「え、こわい。あとでジムいってくる。鍛えないと…。」

「筋肉つけすぎないでね。香織が柔らかくなくなったら立ち直れない…。心配だから一緒に行く。」


「明日、ネイル行くけど萌も行く?」

「行く。匂わせネイルする。微妙なお揃い♡」


「海外旅行は来月にしようね♡」

「うん♡誰にも言わずに2人でね♡」


「今日はどうする?」

「決まってるでしょ?」

「ですよね♡じゃあジムは必要ないね♡」

「必要ないねぇ♡」



 と、毎日こんななのを知っているからこそ、みちるは萌に妙を譲らないのであった。


 自家生産で足りてるでしょ!と。



 続く。








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