おまけep157 八重子の適応能力が意外にスゴかったミラクル

 八重子に恋人ができてから1ヶ月後。


「妙さん、みちるさん。紹介します。私の恋人の笑子です。」

「初めまして。幸運にも八重子の恋人の座を得させて頂きました、笑子と申します。」


 ちょっと期間が空いたけど、約束通り、妙とみちるは平日の仕事終わりに八重子の家に来ていた。笑子を紹介してもらうためだ。


妙「初めまして。私は妙です。八重子とは高校からの友人で、今は八重子の作品を出版する会社にいます。八重子の担当なので、今後もお会いする機会があると思います。」


笑子「貴方様が…あの妙さんなのですね!ああっ、聞いていたとおり、なんて美しいっ!失礼ですが、その眉毛もまつ毛も自然のものですか?」


妙「はい。生まれつきこの眉毛とまつ毛です。そして、」


みちる「妙の妻、みちるです。八重子さんには妙が並ならぬお世話になっております。これ、つまらないものですがどうぞ。菓子折りです。」


笑子「ありがとうございます。貴方様がみちるさん。本当にお美しいっ!失礼ですが、その肌のアンチエイジング法は特別ななにかを?それと豊胸などは?」


みちる「肌もボディも地道なたゆまぬ、血の滲むような努力以外は特になにも…。っていうか…笑子さんのメイク、香織にめっちゃ似てますね!?」*もう笑いが込み上げて堅苦しい会話が無理なみちる。


笑子「はい。八重子が香織風メイクをしてくれました。似てますでしょう?」


妙「マジで似てる…。だんだん香織にしか見えなくなってきた。八重子すごいな…。」


八重子「ヒヒヒ…。一度見た顔はメイクで作れます。漫画家ですから…。さぁ、うちのえみこりんが作った料理をどうぞ…。」


笑子「お口に合うと良いですが。やったんは薄味が好きなので。」


みちる「えみこりん…?やったん…?」ワォ。


 この1ヶ月。前のめりな笑子とぶっきらぼうな八重子は、意外にも着々と関係を深めていた。


「えみこりん…。このソーミンチャンプルーとラフテーは絶品ですよ…。沖縄の風を感じます…。」

「やったん♡気に入った?いつでも作るからね?♡」

「うん。嬉しいな…。えみこりんのご飯が一番美味しいですから…。」

「あんっ、嬉しい!冷たいお茶も飲む?♡」

「うん。ありがとう…。」

「このもずくの天ぷらが得意なの。食べてみて?あーん♡」

「あ…ん。おいしい…。えみこりん、良い奥さんになりますね。まぁ、私のですけど…。」

「やぁん!プロポーズぅ!♡」


 妙とみちるは絶句した。


(え、やばくない?なにこれ?すごい甘々なんですけどこの2人。どゆこと?)


(妙ちゃん…すごいわね。みちるびっくりしすぎていつものテンションが出せない…。キャラで負けたくないけど無理。。)


妙「な、仲良さそうだね。良かったよ。」

みちる「八重子さん、案外甘えたさんなんだね♡」


八重子「えみこりんが、甘やかすので…すっかりそれに慣れてしまいまして…。」


笑子「あら、やったんこそ!もう一人で寝るのやだって言ったくせにぃ♡」


八重子「えみこりんだって…帰るとき、えーんって泣くでしょう…。バブみがたまりませんが…。」


笑子「だって、、好きなんだもぉん♡」エヘー!


八重子「やれやれ。えみこりんは可愛い人ですね…。ん、どうしました?妙さん。え、みちるさんも…」


 妙とみちるは、ご飯を食べ始めたばかりなのに胃もたれして机に額を打ち付けていた。


妙「な、なんか、頭から炭酸かけてスッキリしたい…」

みちる「私も…。全身を今すぐ重曹で洗ってほしい…。」


 私達、、あと30分で帰りたい。。じゃないと腎臓が消化しきれない…。毒素とまで言わないけど毒素的ななにかを…。


 自分達はいつもこんな感じのくせに、人のデレを見ると堪えられない妙とみちるであった。


笑子「私、妙さんにお会いしてわかりました。やったんが長年夢中になった理由が!究極の美です!私も妙さんを推します!やったんとともに!!」


妙「え、困ります…。電柱か工事現場のコーンくらいに思ってほしいです…。マヨネーズの蓋とかでも。。」


笑子「いえ!美は常にそばに置きたいもの!また妙さんの写真を壁に貼り直します!」


妙「え、本当に嫌だ。会ったばかりなのに雑な扱いしかできなくなりますケド…。」


笑子「私、Mです!!」ドントコーイ!!


みちる「私もM〜♡」オソロー!!


八重子「私も…妙さんになら踏まれてもいい…。」ヒヒヒ…



 なんだ、こいつらは…。


 って塩な顔をしても、


 妙はただただ、可愛かった。


 

 続く。





 

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