おまけep146 NASAもびっくり人類未知の美がここに…
「妙ちゃん!お願い!1回だけ〜!」
「んー、やだよぉー!」
珍しく妙が嫌がって譲らないことをみちるが頼んでいた。一体なんだ??
「お願いよぉ〜!かわいいの見たい〜!すぐ落としていいからぁ!」
今日は平日。みちるが仕事を終えて帰宅すると、あとから帰ってきた妙は八重子を連れていた。
八重子は妙の同級生である。しかし立場は弱い。なぜかと言うと、カリスマ美少女であった妙を、漫研に所属していた八重子はさんざん無断でモデルにして同人誌を描いていたからである。*盗撮もしていた
しかし、今となっては八重子は売れっ子の漫画家。そして妙は出版社の八重子担当営業である。それでも妙は決して立場を崩さない。
「八重子〜!メイクしましょうかなんて余計なことを言うからぁ!たまには手作りのご飯が恋しいって言うから連れてきてやったのに!!」
「えー、でも、八重子ニューナチュラルメイクはめちゃくちゃ可愛くなりますよ?誰だって妙さんのメイクした姿は見たいですよ。」
「みーたーい~!想像するだけでよだれでちゃう!お願いお願いお願いっ!!」
「あー!もーう!わかったよ!写真撮らないって約束して!」
「する!約束します!脳に刻み込む♡」
「私も撮りませんから。じゃ、メイクさせてくださいませ。」
「あーやだよぉ…。」
妙は生まれてからずっと美少女であるがために苦労したので、顔になにかされることがトラウマになっていた。
嫁のために泣く泣く承諾すると、八重子にヘアピンを付けられた。それだけでもかわいい。
「ああ…こんなに至近距離で妙さんのご尊顔を見ることができるなんて…。八重子、関節がどこかに消えてしまいそう。直射日光肉眼で見てるみたいにまぶしい。。」
「ふん、そしたらメイクできなくなるからちょーどいーよ!」
「妙ちゃん!八重子さんになんてこと言うの!取引先でしょ?観念しなさい!」
「ちぇ。早くしてー!」
「では、いきます。ああ、なめらかな肌…。まつ毛これどうなってるんです?自まつ毛とは思えない…。孔雀なの?ヴァッさぁ〜なってますけど…。」
「うるさいな!いーでしょ!」
「ふふ、唇がぷるんぷるんです♡」
「実況するなぁ!メイクさせないぞ!?」
「わかりました、大人しくやります。」
「ねぇ、みちるは妙ちゃんにいっそのことトドメを刺されたいから、終わるまでみないようにするね?終わったら教えて?」
「すでに射抜かれた恋の矢でハートをえぐられたいってわけですね。わかりました、少々お待ちを…。」
20分後…。
「はい、完成です!ああ、生きていてよかった。。涙が止まらない…」
「できたの?♡見ていーい?♡」
「心の準備、した方がいいですよ。心臓に悪いです…」号泣
「じゃ、みるよ?ドキドキ♡」
妙の顔を見た瞬間、みちるは言葉を失い真顔で動かなくなった。まるでメデューサの顔を見てしまったかのように…。
「……ちょっと、、見たならなんか言ってよ、みちる。みちる?」
「美…。これが美なのね…八重子さん…。」
「ええ。私達は今まで美を知らなかったのだと気づきました。これが究極の…」
「美、、なのね、、奇跡ね。」
この後二人はしばらく泣きながら妙の顔を見つめた。心地悪い妙は不満気に自分で鏡を見た。
(え、すごい…。可愛すぎない?私…。)
あまりのかわいさに驚いたけど、自分で言うわけにもいかず、泣き続けるみちるにだけ写真を許可して、すぐにメイクを落とすのだった。
八重子ってすごいと、ちょっとだけ尊敬したのも秘密だ。
その代わり、晩ごはんは八重子のために、妙が豪華に作ってもてなした。
「妙さんの、、手料理…!有り難すぎてしんどい…。。」再号泣の八重子。
続く
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