おまけep139 だってかわいいんだもん

 翌日。2人は旅館をチェックアウトすると、有名な神社を観光してお昼ご飯は金目鯛の煮付け定食を食べた。サングラスをかけたみちるが相変わらず目立っていた。


「ああ~!満喫したね~!明日も仕事だし、そろそろ帰ろうか!」

「そうね、妙ちゃん。そろそろ私たちの愛の巣に帰るときが来たようね。」

「また、これからもいろんなところに2人で行こうよ!みちるが爆発する前にさ。」

「うん。妙ちゃんを独り占めして思い切り味わうために、こういう時間がみちるには必要だと気づいたわ。今回はちょっと、あいつらに妙ちゃんを分け与えすぎたの。」

「そ、そんなに不足していたなんて、、ごめんね。いつだって私はみちるだけのものだから。。」

「うん。わかっているの。でも体は騙せなかった。でも大丈夫、、昨日の夜はとても素敵だったから、、その思い出だけでみちる、あと二週間は頑張れる。ほら、見て?肌がつやつやしているの。なぜか便秘も治ったわ。」

「に、二週間だけなんだね、、。う、うん。でも毎日みちるだけに愛を囁くから!」

「ムッツリーニョ・・・。」

「エロ魔人・・・。」


 昨夜はよほどのことがあったらしい。こうして、2人の愛の逃避行は幕を閉じたのだった。

 駅に着くと、2人は新幹線に乗る前にお土産やさんに立ち寄った。


「妙ちゃんは会社にお土産買うの?」

「うん。会社と、担当している漫画家さんには買おうかな。」

「萌ちゃん達はどうしようか。。実はみちる、ちょっと嘘をついて来たから、、お詫びに干物を1ヶ月分くらい送ろうかと。。」

「冷蔵庫に入らないよ、、」


 その時だった。

「ん、萌から電話だ。出てもいい?」

「いいけど、私たちは寝込んでいることになっているわ。」

「え、そうなの?と、とりあえずでるね、、」


『もしもし?萌?』

『ちょっとお姉ちゃん!どういうことよ!』

『なにが?』

『SNSのあちこちに、私が熱海に出没したって画像が出回ってるのよ!良く見たら、全部お姉ちゃんとみちるさんじゃない!!』

『え、ごめん。そっか、みちるが写真撮られても快諾してたから、、』

『隣に居る美人は誰ですか?ってすごいDM来てるのよ!!彼女ですか?香織ちゃんは遊びだったんですか?とかひどい有様よ!!』

『え、なんかごめん。。でも、間違える方が悪くない??私はただ旅行してただけなんだけど。。』

『とにかく!早く帰ってきて!寝込んでるって嘘ついたのは許してあげるから。』

『わかったよ、、お土産買って帰るね。』

『お姉ちゃんは私と2ショット写真を撮ってSNSデビューしてもらいます。それからみちるさんは、、謎の美人として押し通すから!』

『ええ~!やだよ!』

『やだじゃない!とにかく早く帰ってきて!もう事務所が動き出してしまったから!』プツ。


「あ!切られたっ!」

「どうしたの、妙ちゃん?」

「え、なんか、萌と間違えられて私たちの写真がSNSにたくさんアップされてるらしい。」

「え、うそ。ごめん。お連れ様はモデルの萌さんですか?って聞かれて3回くらいそうですって言っちゃってた♡」

「え~!!いつの間にそんなことをっ!!」

「だって、妙ちゃんがかわいいのを褒められるからつい♡」

「帰るよ!みちる!大変なことになってしまった!このままだとデビューさせられてしまう!!」

「え!妙ちゃんが?ならアイドルがいい!!♡」

「ええい、話にならん!!とにかく帰るよ!」

「グループはダメよ!浮気が心配すぎるから!!グラビアもダメよ!」

「ええい、うるさいうるさーい!」



 こうして、みちるは妙を独り占めした代償として、また騒がしい日常を自分で作り上げていたのだった。


 次回、アイドル妙、デビューか?

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