おまけep132 自分の属性がわかってないのはお前だ妙。

 事務方から事務方から営業に転属されて2日目の朝。


「た、え、ちゃん♡あーさだよ♡」

「むにゃ・・・。うぅ~起きます、、ぎゅーしてください。。」

「ハイ、あなた。妙ちゃん専用、みちるのぎゅーですよ~♡」

「むむ。。この抱き心地・・・、ただのみちるじゃないな??」

「そうです、、お気づきですか?新しいブラでいつもより寄せてあげておりますゆえ。。」

「ど、どうりで、、低反発・・・!!」


 営業に配属されても特に変わらない朝。目覚めの白湯のごとくこの2人の健康はいちゃいちゃで維持されている。なお、みちるの働くクリニックの院長は『毎朝1杯の白湯といっぱいのいちゃいちゃでレッツ健康長寿』という本を出版している。


 妙が起きると、2人はテーブルについて朝食を取る。今日はコーンフレークと牛乳、そしてフルーツだが、妙はチョコ味の子供用シリアルも用意されていた。みちるのこども扱いに慣れた妙は、ゴリゴリとそれを旨そうに食べている。


「ゴリゴリゴリ。今日、営業部で歓迎会してもらうからちょっと遅くなるね?ゴリゴリ。。」

「え、そうなの?妙ちゃん的に10%でもアリな女は何人いるの?」

「え、?い、いないよ、、一人も。。終わったらまっすぐ貴方の元へ帰るよ??」

「わかったわ。最高のみちるをご用意しておかえりを待っていることにします。」

「さ、最高の、、みちる、、?」キラーン

「ええ。最高の。なんなら今すぐご用意します。出勤まであと30分ありますから。」ギラーン

「え、歯とか磨きたいし、、夜まで楽しみにしておきます。。」

「今夜はお楽しみです。」

「え、疑問形じゃない。言い切り系っ!!?」


 こうして昼食を取ると、出勤までの30分のうち、15分を使って玄関でいつもの儀式が始まる。

「じゃ、みちる。行ってくるね?みちるも仕事頑張ってね?」

「うん。妙ちゃん。いつ何時も、、あなたのことを忘れずにいるから私は頑張れる。」

「みちる・・・」

「妙ちゃん・・・」


 がばっ!ひしっ!ぎゅうぅぅぅっ!!イタタタタイタイミチリュ‼


「ふぅーー。さってと。仕事だ仕事~!なんてーこーとぉ、ないさっ♪」

 軽快に鼻歌を歌いながら会社へと向かう妙。妙とみちるが住む家は、駅を挟んで会社の反対側にある。徒歩通勤である。


「良し、いざ戦場へ。。」

 妙が駅の南口から北口へと抜けると、街はビジネス街や繁華街と言った装いに変わる。


「あ、いたっ!!妙ちゃんっ!妙ちゃぁぁんっ!」

「あ、おはようございます。澪先輩。」

「妙ちゃん、、貴方が営業に移ってしまって、私の世界はまるで灰色になったようよ・・・。もっと顔を見せて、、、」

 うっかり前の部署の先輩に会ってしまった妙。


(もう、、相変わらず暑苦しいなぁ、、。もう腕組んで歩いてるし、、。先輩だから無下に出来ないんだよなぁ。。)


 とそんなときだった。

「あ、妙~!おはよっ!一緒に行こうよ!」

 後ろから声をかけてきたのは同じ部署になってしまったカオル。一応親友だ。

「あ、カオル!ちょうど良いところにっ!!って、、え?」


 カオルは隣に二人の女性を従えていた。

「あら、おはよう!妙ちゃんも一緒に行きましょう?」

「私たち、毎朝駅でカオルと待ち合わせしてるの♪」*待ち伏せ


「あ、営業部の先輩、、」

(まずい、、この流れが毎日になって欲しくない。。に、逃げたい。。)


 そんなとき、妙にとって唯一心を許しているマザーが現れたんだ。

「あら、妙ちゃん!おはよー!」

「み、み、み、光枝さんっ!!」ウルウル

「あらあら、(察し)おいで?妙ちゃん、人間は怖くないよ?おいでおいでー♪」

「光枝さぁぁん!!」

「よしよし。コンビニでチロル買ってあげるから行くわよ。」

「はーい!」


 妙よ。お前は本当に年下好きなのか。そう疑問に思うくらい、妙が心を許しているのは年上女房のみちると、年上包容力先輩の二人だけだった。。


 翌日から妙は自転車通勤にした。駅を大幅に回避して遠回り通勤するために。


 続く。

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