おまけep128 八重桜メイクの舞!

 妙とみちるがリビングに戻ると、そこにいた全員が八重子によって厚塗り神メイクを施されていた。


「す、すごぉーい!私もやってほしい~♡」

 ここにいる全員が化粧なんていらないくらい美人さんなんだけど、、やっぱり女だもの。綺麗になる術にかけられてみたいの。


「いいですよ。じゃあ、ここに座ってください。」

 八重子は静かに微笑むと、みちるの髪にヘアピンをつけ始めた。


 八重子の独壇。


 は?「八重子も妙が好きだったのか?」ですって?好きなんてもんじゃないわよ。ずっとずっと、愛してるわよ。ただ、私は付き合えないだろうって諦めていただけ。好きでいるのは自由でしょ?


 出会ってから今まで、ずっと愛してるわよ。ものすごく好きよ!馬鹿ばっかりね!ほら、見て?妙さんは結局、絵理香と別れたってすぐにこんな美人といるのよ。

 って言うか私も馬鹿なんだけどね。妙さんに見つかったら怒られるような、、そんな漫画ばかりを描き続けた。でも私の行き場のない想いを少しでも絵に描き出さなければ、、八重子の心のバケツは溢れて、、日本は今頃海の中よ・・・。


 でもいいの。これからも私は、妙さんを思い続ける。この美しい姿を写真で、動画で、そして漫画で、、見つめられさえすれば良い。

 ああ、今日はちょっと、久しぶりに罵声を浴びせて頂けたことと、この綺麗な奥さんを見てしまったことで、ちょっと感傷的になっただけよ。


 それにしても、、綺麗な人ね、このみちるさん。妙さんの恋人でなければ推せた。。いや、たとえそうだとしても推しだと思えば、、まだ諦めもつくわね。フフフ。


「では、行くわよ?八重桜メイクの舞っ!!」アイシャドウブラシシャキーンッ!!


 テッテレテッテテッテレテッテ、アイーヤッ‼ 

 テッテレテッテテッテレテッテ、アイーヤッ‼ 

 

「ベースっ!あいーやっ!パウダーっ!あいーやぁっ!ますからぁぁぁぁぁっ!!ちょわぁぁぁぁっ!!!!りーーーーーーっぷっ!!!あいやぁっ!」


「おおっ!み、みちるさんが、、みるみるうちにっ!!」マ、マブチイ‼

「み、みちるっ!!私のみちるが、、」ヤダヨ・・・ 


「ふぁいぬぁーーーるっ!完成よぉっ!!!」バイーン‼

「う、うわぁ!!すごいっ!別人みたい♡妙ちゃん、どう?みちるかわいい?」

「え、あ・・・。う、うーんと。3ヶ月に1度くらいならかわいいかな?」


 八重子顔メイク。すっぴんのみちるに敗北。。

(くっ・・・、そ、そう。。貴方が少しでも好きになってくれるかもと覚えたメイク。。それでもこの人にはまったく叶わないのね、、。八重桜散る、ね。。)


 その時、妙の額にうっすらと、「魅了」という文字が浮かんだ。(とみちるが後に言い張っただけだけど。)ピコーン‼


 魅了チート、発動っ!!パンダ妙妙、いきますっ!


「こういうメイクはさ、確かにすっごく綺麗だけど、、みちるは自然なのが一番かわいいし。萌だって香織だって。それに八重子だって、、自然体の時が私は一番好きだよ?」ワーニンワーニンワーニンワーニン‼‼ビービービービー‼


みちる「た、妙ちゃん♡ちゅき。。」

萌「お姉ちゃん♡あ、めまい・・・」

香織「今、魅了使ったでしょ?」*効いてないミラクル

絹子・カオル「なんで私たちの名前出なかった?」


八重子「た、た、妙さん・・・」

(私、今。6割くらいの想いが、、昇華されました・・・。ありがとう。妙さん。)



 残りの4割でも十分、こゆい愛だが、、少し浮かばれた八重子だった。


 *いつか八重子のロマンスもどこかで・・・。

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