おまけep123 二人がいいの 妙と萌の姉妹、、アーイ

 妙が高校三年生の時、新入生として入学してきたのが妹の萌だった。


 家に帰ればまだ小学生の一番下の妹がいる。妙にべったりとくっついて離れないから、いつも妙の取り合いだ。学校にいる間が萌に取ってお姉ちゃんを独り占めするチャンスだった。


 妙はあまり出席していなかったが陸上部だった。萌はもちろん、妙と一緒に居る時間が少しでも長くなるようにと、すぐに陸上部に入部した。


「え、まじで入部したの、、萌。。」

「うん♡よろしくお願いします、先輩♡」

「まぁ、いいけど、、妹だからってえこひいきは出来ないんだからね?」

「はーい、わかってまーす♡」


 わかってますとは言うけれど、姉とずっと一緒に居られる萌はとてもじゃないけど控えめな態度とは言えなかった。


 妙と少しでも話したくて、指導して欲しい後輩は他にも沢山いた。萌は妙に似てかわいいが、この頃の性格は姉至上主義でひねくれていたので、周りの妙ファンには良く思われていなかった。


 そんなある日、萌は陸上部の2年の先輩たちに校舎裏に呼び出されてしまったんだ。


「なんですか、先輩。よってたかって、後輩いじめですか?」

「そんなわけないでしょ、萌ちゃん。私たち、妙先輩のファンなの。妙先輩の大事な妹さんをいじめて、そんなことが妙先輩に知られたら困るの。いじめなんてするわけないよ♡」

「じゃあ、なんなんですか?」

「あのね、私たち、みんな妙先輩と話したいし、指導してもらいたいの。わかってくれるよね?萌ちゃんがずっと一緒だと、ちょっと不公平なんだよね??」

「つまり、うちのお姉ちゃんをもっとシェアしろってことですか?なら、お姉ちゃんに直接言ってください。」

「や、やっぱり生意気ね・・・。あなた、先輩にそういう態度はちょっとよくないんじゃないかなぁ~??」


 笑顔ではあるが、引きつっている先輩方。妙にバレたくないから萌をいじめるような真似はしない。だけど内心は萌を退部させたいくらい邪魔なんだ。


「そ、そうだ。なら、今度お宅に遊びに行かせてよ。萌ちゃんが誘ってくれたら私たち、妙先輩の家に行ける!」

「そうね!それがいいわ!お願い、私たちと仲良くしましょう??」


「は?そんな勝手なことばっかり、、」

 にじり寄ってくる先輩達に、さすがの萌も後ずさる。とそこへ。


「なにやってるの?うちの妹がなにか問題でも起こしたの?」

 まばゆい光と共に現れたカリスマ美少女妙。

「きゃ、せ、先輩!いえ、私たちは、萌ちゃんと仲良くなりたくて、」

「そっか。どうもありがとう。でも、大勢で1人にまくし立てたら、だれでもこわいよ?今日は終わり。また今度仲良くしてあげてね?」

 ニッコリと笑う恋愛破壊神に、女子達はハートを打ち抜かれた。そして、フラフラとどこかへ消えていったのだった。


「あーん、お姉ちゃん、ありがとう~♡」

「ほら、だから同じ部活になんて入らない方が良かったんだよ。。」

「えー、だってぇ。1年しか同じ学校にいられないんだから、一緒に居たいんだもん。」

「まったく。いつまでも甘えん坊なんだから・・・。」

「ところで、お姉ちゃんはこんなところでなにをしていたの?」

「あ、いや。別に通りかかっただけ。。」

 サッと、手に持ったなにかをスカートのポケットに押し込もうとした妙。


「え、あ!もしかして!!」

「え、ちょっと、ダメ‼」

 萌が近寄って妙の手を掴むと、案の定、その手には誰かからもらったであろうラブレターが。。


「また、誰かから告白されてたの?お姉ちゃん・・・。」

「えーと。いや、別にそういうわけでは。。」

「お姉ちゃん?私の気持ち、気づいているでしょう?」

「え、な、なにが・・・。ほ、ほら、行くよ?」

「待って、お姉ちゃん。私、もう誰かに取られるのを怖がるだけでいたくないの。。」

「も、萌?ご、ごめん、先に行く、」


 妙が慌てて先に行こうと走り出す瞬間、萌は妙の手首を掴み、動きを止めた。そして、


「お姉ちゃん。。私、、お姉ちゃんが・・・」

「も、萌??」

「お姉ちゃん・・・」


 萌は妙に近づき、熱いまなざしで妙の唇を見つめた。


「萌・・・。一体なにをっ、、」

「お願い、、一度だけ、、お姉ちゃん・・・。」


 萌の唇が、、ゆっくりと妙の唇に近づいていく・・・。


 もう、妙は言葉を発することが出来ず、、そのままゆっくりと・・・


 ・・・・・・・・・・もう、自分の心を、、偽れない・・・。




香織「わぁ、すっごいキュンキュンするー!」

みちる「でしょ、香織~♡これね、みちるが妙ちゃんと出会う前に買ったんだよ。まさか絹子さんが妙ちゃんをモデルに描いたとはしらなかった♡」


妙「や、やめてもらっていいですか。。本当に具合悪くなる・・・。」


「え、だって、これから絹子さんが遊びに来てくれるから、サインしてもらいたくって押し入れから出したの♡」


「あ、ああ。そう。。みちる、、そんな純粋な目で、、そのモデル、、私だよ?いいの??」


「だって、フィクションだから♡」


「あ、そう。。えっと、寝室で寝てるね・・・。」チーン



 絹子が描いた、「二人がいいの 妙と萌の姉妹愛」という作品を読んでいたみちると香織だった。




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https://kakuyomu.jp/works/16817330655108439970

「二人がいいの シスコン萌と香織の出会い」ならすぐ読めます。


 割とガチだった件に触れています。。

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