おまけep122 田中とは一体!?

「改めまして、田中と申します。現在のカオルの正妻。恋人でございます。」ペコリ

 高校時代、妙とカオルのカップリング百合をこよなく愛した田中がまさかのカオルの恋人になっていた衝撃。

 もはや、みちるに紹介している場合ではなかった。が、みちるも楽しそうなので妙はもうどうでもよかった。


「で、いつから付き合ってるの?」

「うーん、仕方ない。私からはなすよ、妙。」

 カオルが神妙な顔で話し出した。田中に後ろ首の根っこを掴まれたままで・・・。


「妙。少し前に、私がどうしても出版させてもらえなくて交渉している百合漫画家がいたのを覚えている?」

「ああ。カオルの顔でも落とせなかったあの、、同人から商業へどうしても転身してくれないと言われている、、ピーチ@顔バレごめんなすってさんだよね。恐ろしく美人の。。」

「そう。ピーチさんは私では落とせなかった。だから会社が、妙を同行させたんだ。おかげで、妙が担当なら出版しても良いとあと少しでOKをもらえそうなんだ。」

「それとこれと関係あるの?」

「ふっ、百合漫画業界において、この作家こそ美人だと言われるトップ3のうちの1人が、ピーチさんだ。そして残るは、絹子氏豆腐メンタルさんと、木綿冷やヤッコさんなんだ。この2人は永遠のライバルと言われている。。


「き、絹子氏・・・。も、もしや、、」

「そう。私も気づかなかったんだけど、田中絹子。この絹子だったんだよ。。」

「え、えええっ!漫画家になっていたとはっ!そして売れっ子!そしてその見た目の変わりよう!!」ドッヒャァァァァ‼


「妙さん。昔はすみませんでした。数々の百合作品の主役を張らせてしまって。。あまりのカオルと妙さんの美しさに、、私はどうしても我慢が出来ず、、。


 そして、私はついに、高校卒業と同時に百合漫画家としてデビューしていました。同じく、漫研から写真部に移籍した、親友の鈴木八重子と・・・。」


「八重子・・・。あの、田中と共に私を盗撮していたあの、、。あ!もしかしてっ!」

「そうです。八重子こそが、私のライバル。木綿冷やヤッコです。」

「な、なるほど。それで、いつカオルと??」


「私は、高校の時からカオルが好きでした。でも、妙さんの方がカオルにふさわしく、私はその尊い2人を作品に残すことだけを考えていました。


 そして、漫画家としてデビューしてからも妙カオシリーズは続けていて、人気シリーズです。」


「え、は?ま、まだ私たちを書き続けてっ・・・!!」

「それだけではありません。妙さんと萌ちゃんの、姉妹百合の方も、、爆発的なヒットを・・・。」


 みちるは立ち上がった。ワナワナと震えている。

「み、みちる!怒ったからってダメだよ!暴力はいけないっ!!」

 慌てて止めようとする妙。しかしみちるは勢いよく大声を上げた!


「私、、持ってる!その漫画持ってるーーーーーっ!!!!!♡」

「え?」

「持ってるのぉ!ヒロインが妙と萌だったなって1回思い出したことあるんだよね!そっかぁ!あれって妙ちゃんがモデルだったんだ!!♡」

「は、え、?」

「すっごい切ない百合だよ?押し入れにしまったままだからあとで見せてあげるね!♡」


 すかさず、萌が田中に食いつく。

「ちょ、ちょっと、、何してるのよ勝手にっ!!わ、私とお姉ちゃんですって、、。ちょっと、タイトル教えなさいよ!」

 すかさず香織が食いつく。

「私も読みたい。みちるさん、タイトル教えて?全巻通販しちゃうから~!」


 すかさず失神しそうになる妙。

「ま、待て待て待て。お前ら。。全員訴えるぞ・・・。」


「話を続けても?」

「はい、どーぞ。」


「そして私は、百合漫画家として有名に。密かにファンのアイドルや女優などにもお誘いいただくことがありまして、華やかな日常を送っている間に、美容に関するプレゼントなどを数々頂き、気づいたら百合界の美人豆腐姉妹として八重子と不動の地位を得たのです。。


 カオルが出版社の担当になったとき、カオルは私に気づきませんでした。そして、運良く口説いてくれたので、その日中に既成事実を。付き合うことになってから絹子であることをバラしました。以上です。」


 絶句する妙。田中を囲んでキャッキャするみちると香織。通販サイトを調べる萌。そしてカオル。

「やー、絹子って情熱的でさぁ。付き合ったら軟禁状態だよ!まぁ、愛してるからいいけどね!」


「カオル。私と付き合う以上、ハーレムなんて許さないわよ。」

「わかったよぉ~!あーあ。せっかく萌ちゃんと再会できたのに。。」


「あ、萌さん。お二人のおかげで私は生活が出来ていますから、全巻送りますので通販はしないで下さい。」

「え、うそ!じゃあ、全部サインしてね!」

「もちろん、喜んで。妙さんにも送りますか?」


「い、いえ。絶対に読みたくないです。というか、名誉毀損に該当するか話し合いをしたく、」

「あ、大丈夫です。弁護士に相談して法律すれすれで名誉毀損にならないように描いてます♡」


「あ、そう・・・。えっと、みちる、、帰ろうか・・・。」チーン

「え、妙ちゃん、もう少し絹子さんの話が聞きたい~♡」

「え、みちる、、あ、うん。わかった。どうぞ。。」


 このあとしばらく妙を抱きしめて慰めたのは、香織だった。


 続く。

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