おまけep120 サンバのリズムで阿波踊り踊る女。これマブダチだから。

 ということで。回想はこのくらいにして、今に戻ります。

 私は会社のお昼休みにカオルを誘ってランチを食べることにした。会社に二人でいると周りがうるさいしピロンピロン盗撮されるから、近くのラーメン屋さんにした。高校時代の田中の合成写真のことがあって軽くトラウマになってるからね。


「とんこつ、2つください。」

「あいよ。堅さは?」

「普通で。」

「は?妙、何言ってんの?バリかた2つにしてください。」


 出稼ぎで日本全国を回ったカオルは一々食べ物の食べ方にうるさい。

「はいはい。なんでもいいよ。」

「妙?とんこつは日本の伝統料理だよ?ちゃんとリスペクトを心がけて、」

「わかったよ、サンバめちゃくちゃ上手に踊りそうな顔のくせに、、」

「馬鹿だね、、阿波踊りもサンバも踊れるっつーの。同じようなものだっつーの。」


 話が始まらなそうなので、とりあえず食いつきそうな名前を出してみよう。


「あのさ、萌と会いたいとか、今でも思う?」

「え、もちろんだよ。あんなに美しい人は居ない。。」

「そ、そうなんだ。あのね、実は私、彼女がいて、、っていうか奥さんなんだけど、、私の一番仲の良い友達に会ってみたいって言うんだ。」

「え、じゃあ、私じゃん。いつにする?今日だって良いよ?」


 あ、一番仲が良い、イコール自分って思ってくれてるんだね、まだ。なんかちょっとうれしい・・・。


「わかった。ちょっと奥さんに、、みちるって言うんだけど、いつにするか聞いてみるからちょっと待って?」

「ん、わかった。楽しみだぁ~!また闇の深い女?」

「うーん、隠れヤンデレ?だけど、そこまでじゃないよ、大人だから。」

「ふぅーん。妙って、底なしに求めてくる子が好きだからなぁ~。」

「うぐぐっ、、っていうか、すっごくすっごくかわいいからね。惚れないでよ??」

「何・・・?属性は??」

「底なしデレ。年上の年下甘やかし属性。されど甘えてもくれる理想型。」

「え、気になる。。」

「だから会わせたくないんだよ。。言っとくけど私にベタ惚れだから。」

「みちるwithイケ女みたいな感じでハーレムにする気は??」

「ありませーん。ずっと二人でいちゃいちゃしますぅ~!」

「ふぅん、、まぁ、ダメ元で聞いてみるかな。。」

「あと、私とカオルが学校でカップリングされてたこととか、言わないでね?田中の作ったうちらの合成キス写真とか見せないでね?あと、同人誌も。」

「え~、あれを話さなかったらうちらって何も残らなくない??」

「ううっ・・・。そうだ!全国各地で出稼ぎした話と、港の女の話でもしてよ。」

「んー、わかった。ここのランチは妙のおごりね♪」

「わかったよ。もちろんみちるに会わせるときも焼き肉とか奢るから、、」


 そんなこんなで、カオルとみちるを会わせる約束は取り付けた。あとは萌をさそうだけだけど、、カオルの名前を出したら嫌だと言うかも知れない。。香織には内緒にした方が良さそうだし、、よし。悪いけど、またお姉ちゃんとデート作戦で行こう。


 シスコン妙。案外、みちるのためだと萌に対して扱いが雑だった。

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