別伝 こんにちは、シリアスです。すぐ帰るから嫌わないで??
私が絵理香と付き合い始めた時、嬉しさと同じくらい、ビビっていたことがあった。もちろんそれは、萌の反応である。
私は、萌が発狂してもなんとかなるように、カオルと3人でいるときにそのことを切り出した。
「あのさ、2人とも。実は、、私、彼女が出来たんだよね。。」
カオル「え?」
萌「・・・?」
カオル「うっそ、ホントに?だ、誰?」
萌「・・・?」
「あ、えーと。萌と同じクラスの子で、絵理香って言うんだけど。カオルは知らないかも。」
「え、知ってるよ?たまにこそこそと妙に会いに来てた子でしょ?・・・あっ!」
しまった、萌ちゃんに言わない方が良かったか?とカオルは思ったが、もう遅かった。
「え・・・。もしかして、あの絵理香・・・?うちのクラスの?」
「あ、うん。ごめんね、黙ってて。急に決めたもんだから。というわけで、これからよろしく?」
泣き叫ぶかと思った萌なのに、意外と萌は1人で黙ってすーっとどこかへ行ってしまったんだ。もちろん、カオルは慌てて後を追いかけた。
「ふ、ふぅ、、すっごい冷や汗出た。。だ、大丈夫かな、、萌。。だけど、いつかこう言う日は来るし、、。慣れてもらわないと・・・。」
なんて、萌のことが心配なんてフリをしたけど、本当は自分が一番ビビってたんだよね。萌が怒って離れてかないかとか。
案の定、萌は1人で校舎を出て、誰もいない裏庭で泣いていた。
「うそ、、うそぉ・・・。お姉ちゃんが、彼女出来ちゃった。。だ、ダメ。あんな、絵理香なんかにあげないもん。。」
すると、追いかけたカオルが萌を見つける。
「萌ちゃん!大丈夫!!??」
「大丈夫なわけないです!私のお姉ちゃんなのに!」
「だ、だけど、いつかはこういうこともあるよ・・・。」
「わかってるけど!だっていやなんだもん!!」
手をつけられない萌。カオルはそのまま隣に居続けて、黙ったまま授業をサボって1時間以上、萌が泣き止むのを待っていた。
(困ったな、、。何を言っても意味ないだろうし。。じゃあ、私と付き合おうよって言ってもな。嫌われるのがオチかも。。)
どうにも出来ないカオルが内心困り果てていると、やっと萌がゆっくりと顔を上げた。
「とりあえず、今日は帰ります・・・。ありがとうございました、いてくれて。。」
「あ、うん。あっ、送るよ!!」
そう言って、カバンも持たない萌を、カオルは家まで送ったんだそうだ。
私は後からそれを聞いて、萌の教室にカバンを取りに行った後、重い気分で家に帰ったんだ。
それからしばらく、萌は私と話してくれなくなった。
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