別伝 お風呂回は外せないんだもん。これで最後にするから。
高校2年生になった妙。
妙とカオルの百合が見たい先生の采配によって、二人は同じクラスになっていた。
毎日行動を共にするようになった二人。この頃から互いに親友という認識を持つようになっていた。
そしてこの年のイベントと言えば修学旅行だった。二人が同じ班になることは必然だった。その班になりたいクラスメイトは全員である。死闘を繰り広げた末に、カオルファン2名、妙ファン1名がその幸運を手にした。※嗚咽して歓喜
「ああ…幸せ。妙ちゃんとカオルのツーショットを見られるだけでも十分。。」
「でも私、カオルに抱かれることが出来るなら、遊びでも良い。この旅行中が勝負…。」
などと不穏な動きを感じ取っていた二人は、班行動、食事、移動中の全てにストレスを感じていた。他の班の女子も好き勝手に盗撮してくる始末だ。
「はぁ…落ち着かない…。ねぇ、カオル。お風呂とか怖くない?盗撮しかねないよあいつら。」
「え〜、まさかそこまでするかなぁ??」
「されてからじゃ遅い。先生に言って、朝入らせてもらおう。ていうか私だけでいいから、カオルは皆と入ってきなよ。」
「それじゃ、妙が寂しいじゃん。っていうか、私が寂しい。」
「とりあえず、先生に頼んでくるね。」
結局、妙は一人で朝に大浴場を使わせてもらえることに。その夜、カオルは他のクラスの子達とお風呂でハーレムを築いていた。
手持ち無沙汰な妙は、こっそりホテルの非常階段に出ると、妹たちに電話をした。こちらも嗚咽して号泣である。
「お、お、おねぇぢゃんっうえっぐっおえっ・・・っ!!!」
「ああ、末、、そんなに泣かないで、、。お姉ちゃんまで悲しくなっちゃうよ。。」
「いいいいづがえってぐる・・・のぉ・・・っ!?あ、ああっ!萌ちゃんっ!やだ、まだ喋ってるのっ!!」
妙との電話を取り合い出した妹たち。妙はそっと通話を切り電源を落とした。
「はぁ、、たまには離れるのも必要だね。」
寂しいけど、姉離れも必要だと割り切ってそう言葉にしてみた妙。
「なんで?離れる必要ないよ、うちらは。」
不意に聞こえた声に、振り返ると、カオルが妙を探しにきていた。
「あ、お風呂でたんだ?違うよ、妹たちのことを言ってたんだよ。戻ろっか。」
そうして二人は同じ班の子たちが待つ部屋へと戻り、やがて就寝した。
妙(うちらは離れる必要、ない。・・・か。)すぅ・・・
翌日、早めに起きた妙は、こっそりと部屋を抜けだし、大浴場へと向かった。
「ここかな。わぁ、誰もいない。貸切だぁ!」
いつも家で入るお風呂は妹たちと一緒だ。日頃のご褒美なのかもと、喜んで服を脱ぐ妙。
浴場に入ると、誰もいない大きな浴槽に一人静かに入ると、深いため息をついて、心地よく目を閉じた。
「ああ〜、最高〜!!」
ガラッ。目を閉じていると、引き戸をスライドする音が聞こえた。
(ん、誰か来ちゃった。)そう思いながら目を開けると、そこには一糸纏わぬ姿のカオルが立っていた。
「あれ?なんでカオル来ちゃったの?」
「へへ、妙ちゃんと入ろうかと思って!」
「まぁいいけど。先生に許可取ってないから見つかったら怒られるかもよー?」
「大丈夫、大丈夫。昨日言ったじゃん。うちらは離れないって。」
「勘弁してよ、、うちに帰ったら毎日妹がくっつきっぱなしなんだから。」
「好きな人とくっついてるのって、幸せじゃん?お隣失礼しまーす♪」
そう言って、カオルは湯船に入ると、妙の隣に身を寄せた。
「ああ、気持ちいいね。妙ちゃん、後で背中洗ってあげるね!」
「いや、別にいいって。」
妙(うう、、なんか、カオルと入るの変な気分。いつもはかっこいいけど、女の子なんだなぁ、、体。。そりゃそうだけど。。)
カオル(妙ちゃん、体綺麗だなぁ、、。肌が白くて、少し濡れた髪がなんか、、。胸も。)
「な、なに?カオル、こっち見過ぎじゃない?」
「あ、ごめん。綺麗だなって思って・・・。」
「何それ、、さ、先にでて頭洗うね、、」
「あ、ちょっと待って?私が洗ってあげるから、」
その時、お風呂の神と幸運の神、そして色欲の神は一体となりました。フュージョン‼︎
「いいって!って、あっ!」
カオルが来たことで少し長めに湯船に浸かり過ぎた妙。カオルを制するのにか軽く振り向いた勢いで、少し眩暈がした。思わずバランスを崩す。
「あ、妙ちゃんっ!あぶなっっ!!」
慌てて立ち上がりながら、妙の体を支えるカオル。
「うわっ、、、、。あ、ご、ごめん。」
「大丈夫??妙ちゃん、、」
「う、うん。ありがと、、あ、あの、、手が。。」
カオルの手は咄嗟に、片方が妙のお腹に、そしてもう片方は、、
「あ、ご、ごめん!!!」
「いや、こっちこそ。で、でも離して、、」
「・・・・・・・(離したくない、、)」
「ねぇ、、離してってば?カオル??」
・・・・・・・・。。続く。
「ねぇ、カオルー?これ2巻出てるの??」
「まだみたいー。出たら持ってくると思うよー。」
元漫研の写真部絹子による同人誌がついにコミケで販売されることになっていた。
すっかり慣れて、楽しんで読んでいた妙だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます