別伝 だから私は、、カオルを・・・

 カオルと仲良くなって数ヶ月が経ったある日。


 私は風邪気味で、微熱があった。ちょっと辛くて保健室に行こうとしたんだ。授業中、周りの子が付き添いたいと言ってくれたけど、大丈夫と言って、私は一人でフラフラと教室を出た。


 あ、ちょっとこれは最後までいられないかも、、。そう思いながら、ぼーっとしていたんだと思う。中にいる人たちが誰で、何をしているかなんて考えられなかったんだ、、。


 保健室のドアをガラッと開けると、私は黙って中に入ってしまった。見渡すと、保険の先生は見当たらない、、。仕方なく、薬をもらおうと棚を見たけれど、、どうにも見つかる気がしなかった。


 私は少し、ベッドで寝かせてもらおうと思ったんだ。。そして、二つ並んだベッドの一つが仕切られているカーテンを開く。そこで見たものは、、カオルと、、先生が抱き合っているところだった。


「え・・・。あ、ご、ごめんっ!」

 慌てて私はカーテンを閉めると、さっきまでの具合の悪さが嘘のように、その場を駆け出していた。廊下を走り、階段を駆け上ると、だんだんと具合の悪さが戻ってきた。。


「うっ・・・・つ、辛い・・・・。」

 気がつくと、具合の悪さなのか、涙が溢れていた。このままでは人に見られてしまう。。そう思った私は、、一人、屋上へと向かった。


 屋上に辿り着くと、いよいよ立っていられずに、私はヘナヘナとその場に座り込んだ。


「はぁ、はぁ、、く、くるし、い。。」

 ボロボロと涙がこぼれ落ちてくる。もう気づいてしまったんだ。

「私、、いつの間にか、、カオルのことが、、す、」


 とそこへ、屋上のドアがバタンっと大きな音を上げて開かれた。そこにいたのはカオルだった。


「た、妙ちゃん・・・。」はぁはぁ

「な、なに?(ゴシゴシと涙を拭い)お楽しみだったんでしょ?なんでここにいるの?続けてれば良かったじゃない。。」

「ち、違くて、、あの、私は妙ちゃんが、、誰より一番、、」

「は?じゃあ、さっきのはなに?」


「・・・寂しくて、、。その、妙ちゃんが全く私に気がないのを考えると、、辛くて、だから、、。ごめん、弱くて。」

「だ、誰でも、、良いんでしょ??だって、いつだって他の誰かを周りに、、」

「そ、それは、、カッコつけて虚勢を張っているだけで、、私はずっと、、最初から、、妙ちゃんだけを、、。」


「わ、私だけを、、な、何・・・?」


 ゆっくりと、妙に近寄るカオル。

 気がつけば、その距離はどんどん近づいて、顔と顔がすぐそこに、。


「妙ちゃん、、私、妙ちゃんが、、」

「カオル・・・」

「泣かないで・・・。」

「泣かせたのは誰??泣き止ませ、て、。」

「う、ん。。」


 ゆっくりと、唇が近づく、




「という漫画が漫画研究部によって出回ってました!はい、コレ。妙ちゃんの分もらってきたよ!」


「は?まじ勘弁。廃部にしてやる。」




 続く。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る