おまけep111 これが私。みちる。
「じゃ、先行くね?行ってきます!みちるも行ってらっしゃい♡」
「うん、行ってらっしゃい、行ってきます。愛してる♡ねぇ、愛してる?」
「愛してるに決まってるよ。じゃあ、あとでね?」
「うん、、寂しいけど。」
「私も寂しいよ?じゃあ、行くからね。」
「うん、、(いやだけど、、)」
定番の朝のやりとりが終わり、愛しのかわいこちゃんは先に仕事に行ってしまった。。ああ、この満たされるのと同時に渇望すら起こさせる危険なお砂糖。。
「粉糖のように、、私を綺麗にコーティングしてくれる人・・・それがあの人・・・。」
最近、本当に肌がつやっつや。。愛で満たされているからよね、。
そろそろ行かないと。。
支度を終えて、自分も仕事に行く時間だ。
家から職場までは歩いて20分かからない。職場は駅を挟んだ向こう側で、みちるの職場と妙の職場は5分かからないくらいのところにある。だから出会えた。
駅に近づくと、いつもの儀式が始まる。
「わ、お姉さん、随分綺麗だね?学生?遊びに行かない?」
目で追われることはしばしばだが、時にはこうやって声をかけられる。でも、もう平気。私にはとっておきの呪文があるから、。
「既婚者です。」
くぅぅぅぅっっっっ!!♡♡♡たまらん。。
ハァハァ・・・これだけで蒸気が・・・。
ずっと言ってみたかったこの言葉、、「既婚者」
そりゃ蒸気もでるわよ、機関車と似てるし・・・!妙ちゃんにまっしぐら、トーマスみちるよ。
あの人がつけてくれた私の、、「真名」ね、これは。既婚者という本当の名前。それが私。
「おはようございます♡」
「あ、みちるさん、おはようございます!」
この職場は女性の比率が圧倒的に多い。ここではかわいいとか綺麗だとか言われるけど、それ以上に口説かれることがなかったから快適に長く勤められている。
おかげで妙ちゃんと出会えたしね~?ね、ね~?♡
「あ、また妙さんのこと考えてるでしょ?」
「あ、戸田ちゃん、、おはよー♡」
「破顔が過ぎます、、院長に薬出されますよ??」
「私もさぁ、道でこの顔になってしまうのが最近の悩みぃ♡」
「すごいっすね、ハマり方が・・・。」
「知ってるでしょ?あの人のすごさを、、」
「まぁ、くっそかわいいですし、なんかやたら雰囲気ありますしね、仕方ないのもわかります。」
「でしょう?あの人と付き合えば誰でもこうなる、、二度とそんな人は現れないけれど・・・。」
「重い、、、いや、、想いが溢れてますね!仕事して下さい~!」
するわよ、仕事。あの人を養うためなら、、って、ちゃんとお金は入れてくれているけど。出来たら私がずっと養いたい♡ご飯も作るし、服も着せてあげたい。まぁ、妙ちゃんもご飯上手に作るし、服は着させられるより脱がせるのが好きみたいだし♡
なんでもいいか。大好きぃ~でへへへへへ♡にゃーーーーーーー!!!!!!
「あ、大丈夫です、院長。仕事できます。注射器もってこっち見るのやめてください。」
私、失敗しませんかラララララ~♪ パタパタパタ
割とちゃんと生きてる。これが私。
(アーイ)
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